アベンジャーズ:エンドゲーム
皆さん、遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
お陰さまで、この春から、息子も小学一年生になってしまいました。D.C.III発売の頃に生まれたのにね。時が経つのは本当に早いものですね。
平成も最後の日になったということですし、今日は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の話をしようと思います。
何も知らずに見るのが最良の映画だと思われるので、Twitterなどではネタバレに配慮しすぎて何も呟けませんw
というか単に、新鮮なうちに感想をアウトプットしておかないと、考えが脳内で腐ってしまうので、出力させてもらうってだけの話なんですけどね。
言ってみれば、筋だってまとめたレビューでもないただの感想の垂れ流しみたいなもの。
なので、ネタバレに配慮は一切無いです。
それに、今作の何が肝なのかは人によって違うと思うから、伏せたつもりでも、結局、何をどう書いてもネタバレになっちゃうと思うのよね。だから、まだ未見で楽しみにしてる人は読まない方がいい。
特に、MCUの映画を全作見てて、まだエンドゲームに行けてない、という人ね。
MCUは歯抜けで好きな作品だけ見てるって人で、ネタバレ平気だよ、って人は読んでもいいかもしれないけど、それでもオススメはしません。
ちなみに、僕はといえば、『アイアンマン』からの映画は一応、DVDやネット配信などを駆使して全部観ています。
ちゃんとリアルタイムに劇場で観られたのは『エイジ・オブ・ウルトロン』『シビル・ウォー』『ホームカミング』『インフィニティ・ウォー』『キャプテン・マーベル』と意外と少な目。
好きな作品は、『マイティ・ソー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2』かな?
ドラマは『エージェント・オブ・シールド』Season4までは全話視聴。現在、Dlifeで放映中のSeason5を毎週楽しみに観ている感じ。
『インヒューマンズ』は全話視聴、『エージェント・カーター』はSeason1の第1話のみ。
NetflixやHulu系は未見。
……といったところです。
MCU以外の最近のMERVEL系は、X-MEN系、スパイダーマン系一応全部観ております。
取りこぼしていた『デッドプール』『デッドプール2』『ヴェノム』もようやく最近観ました。
といったところで、現状確認終了。
そろそろ、感想に移行したいと思います。
さて。
いいかな? 未見の人は帰ってくださいよ。いいですね?
ネタバレ配慮で改行少々。
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『インフィニティ・ウォー』の衝撃のラストから一年。
「負けるのは知ってた」「どうせ復活するんだろ」と思いながらも待たされた一年はすごく長かったですよね。
その後の『アントマン&ワスプ』は時系列どうなってるんだろう?
などと考えつつもサノスとは全く関係のない物語と拡大・縮小アクションを楽しみ、ラストで「あれ」。
『キャプテン・マーベル』は90年代の話で、近い将来の強力な助っ人の到来を予感させ、皆、いろいろな妄想をはかどらせてきたと思います。
そしたら、冒頭からいきなり「あれ」ですよ。
ホークアイの、引退したバートンの幸せな生活からの「あれ」。
もうね、なんていうかね。
サノスの無作為の50%、ホントにランダムかってくらい恣意的すぎますよw
衝撃だよね。冒頭から泣けます。
一方、惑星タイタンで多くの仲間を失ったトニーは、燃料も空気も残り少なく、地球に帰ることもできず宇宙を彷徨います。
この辺は予告でも出てたので、いかにトニーを救うか、いかにトニーが地球に帰還するか、も物語の肝になってるのかと思ってました。
新戦力であるキャロル・ダンヴァースを加えて、残された面々がトニーを救出し、サノスを探し出して討つ。そういう壮大な物語が待ってるのかと。
でも、上映時間が三時間と聞いて、「ん?」とは思いました。
三時間かけて、ただ仲間を再結集させてサノスに挑む話に三時間かかるか?
答えはすぐに判明しました。
正解は「そんな映画ではない」です。
『キャプテン・マーベル』のエンドロール時に流れた、キャロルとアベンジャーズ残党との出逢い。
あれは『エンドゲーム』からの抜粋ではなく、あれはあれ、だったのです。
トニーはさっさとキャロルによって救出され、そこは話の肝じゃねーよとばかりに地球に帰還。
メンバーは、あっという間にサノスの位置を特定。
有志の集団によって、あっという間に戦いは終わりを告げます。
何のカタルシスも無く。
わかったのは、「消えた連中を戻す術はない」ということだけ。
そして大胆にも一気に五年の時を流してしまうんですよね。
この太っ腹な感じ。もう観客は置いてけ堀です。
でも、この五年の重み、こそがこの映画の肝だったんですね。
描かれる五年後の世界。
一瞬で35億を失った世界の五年後の「現在」。
さっきまで新参だったキャロルもすでに五年来の戦友です。
現実を受け入れる者、そうでない者、人々の腹積もりなど関係なく時は流れます。
そんな中、五年前に消えたと思われていた(観客だけは消えてないと知っていた)スコット・ラングの唐突な帰還から、物語が動き始めます。
突如、示されるタイムトラベルの可能性。
見えてくる光明。
でもね、人生ってやりなおしたいと思います?
よく人はしますよね。
「人生をやりなおせたら、いつに戻りたいか」って話を。
僕は昔、昔はこう言ってました。
あの大変だった受験勉強や高校の部活をやり直す気はない。
やりなおせば、もっといい大学に行けたかもしれない。
でも、そしたらあの部活は二度とやらないよな。部活は嫌だったけど、体力と自身はついた。それをなくしたら、高校時代の僕は今より貧弱な僕だろう。
それに違う学校に行ってしまえば、そこからの出会いは大きく変わる。
それでもいいと思えるほど、僕は断捨離向きじゃない。
だから受験より前には戻りたくない。
でも、今ならこう答えるでしょう。
子供が生まれるより前には戻れない、と。
人生をやり直して、昔の別れなくて済んだはずの昔の恋人との別離を回避したら、もう子供たちに会えません。
いや、よしんば同じ相手と出会って、同じように人生を歩んだとしても、着床したのは何月何日だよ。同じ日に同じ精子と同じ卵子を授精させるなんて真似、できっこありません。
人生をやりなおした瞬間、宝物である子供らに二度と会えなくなってしまうんです。
70億の人類が半分になったと言っても、35億の人間が五年過ごせば、いろんなことがあります。
五年間の間に生まれた命も多いでしょう。
トニーとペッパーの間にも子供が生まれていました。
映画の中では「歴史に介入することで、我が子が消えるかも」ということは、特に触れません。そこの議論はあえてしません。
ただ、五年間に得たものは消さないよう、過去に飛んで必要な物を「借りてくる」だけ。使い終わったら、また返す。
そうなんですよ。
壮大な『サマータイムマシン・ブルース』なのです。
(作中では過去に干渉しても新しいタイムラインが生まれるだけで現在に影響はない、という説をおしてましたが、実際どうなったのかはフェーズ4以降の展開を待たないとわからないわけです)
そして、そこからの展開は、正直、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』なのですよ。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』あっての『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』ですが、『エンドゲーム』の背後にあるのは20本以上の映画陣。
僕があげる映画のオールタイムベストの中に『サマータイムマシン・ブルース』と『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』が入ってます。
それが合体した上に、しかもヒーロー映画で、ヒーローのクロスオーバ映画なのです。
好きなものしか入ってない……。
さらに、ここに来るまでの数々のMCU映画を受けて観たいシーンが山ほどあったわけです。
『エイジ・オブ・ウルトロン』のラストシーン、キャップが「アベンジャーズ!」と掛け声を挙げた時点でぶつ切りになってエンドロールが流れます。
聴きたかったでしょ? キャップのあの後の台詞。4年、待ちましたよね?
『シビル・ウォー』でトニーがキャップに言いますよね。お前には持つ資格がないって。トニーに言われて、キャップは自らの分身を置いて行きますよね。
見たいですよね。トニーがキャップにあれを返すところ……。3年待ちましたよね?
もうそんなの全部、お約束なんです。やってくれるに決まってるんです。
でもね、泣くよね。ただ、泣くよね。
ひとつだけ。
ひとつだけ観られなくて残念だったのは、『ラグナロク』で乖離し『インフィニティ・ウォー』で決裂したバナーとハルクの和解と、ハルクの意趣返しが見られなかったこと。
そこに関しては「ああ、そう来るか……」と……。
フュージョンじゃなくて、ブルースとハルクのユニゾン、見たかったなぁ。唯一の不満はそこです。
さて、驚異的な大軍を目の前にして、ピンチのところに復活した仲間たちがお約束のようにかけつけます。
『スーパーヒーロー大戦』や『仮面ライダー大戦』でも散々見たようなシーンです。でも、いかに金田監督が雑だったか、よくわかります。
復活してきた一人一人に物語があるんです。
そして、最終的に、世界の命運はひとりの男に託されます。
ストレンジが言った1400万605通りの中のたったひとつの正解を悟るのです。
男は言います。あの言葉を。
最初に言った、あの言葉を、このタイミングで。締め括りです。
そして、スナップ。
ただ、涙。です。
今回、復活するのは灰になって消えた者だけです。
戦いの中で死んだ者は戻ってきません。
だから、あいつもあいつも、そしてヘイムダルも戻ってきません。
そりゃそうですよね。ヘイムダルが生き返るのであれば、その前にヘラとの戦いで死んだ浅野忠信やシャザム、ヴォルスタッグだって生き返って欲しいですもの。
だから、あいつもあいつも、生き返りません。
サノスがヴィジョンを殺すために生き返らせたのとは大違いです。
一人は帰ってこず、一人は戦いの中で逝き、一人は本来の人生を取り戻します。
本当に『エンドゲーム』は『エンドゲーム』でした。
実際のアメコミのように、彼は老い、友人に名前を託します。
もうあの「アベンジャーズ」は帰ってこないのです。
お茶を濁さず、徹底的に終わらせてくれました。
心地好いくらいに。
個人的にはエージェント13とうまくやって欲しかったですが、出てこなかったことを考えると、IWのスナップで消えてたんでしょうかね?
次に予定されているのは『スパイダーマン:ファーフロムホーム』。
トムホスパイディの二作目。
てっきり、『ファーフロムホーム』からフェーズ4なのかと思いきや、『ファーフロムホーム』こそがフェーズ3の最終章なのだそうですね。
35億と35億の五年のズレを考えると気が遠くなりますが、その辺も次のスパイディで描かれるのかな?
スパイダーマンの「思えば遠くに来たもんだ」に期待しましょう。
今はただ、MCUに携わったすべての人に感謝。
ここまでのことを11年かけて成し遂げることは容易ではなかったでしょう。
そして、これを語り合える者が周囲にいないのが淋しい。
スタン・リーがこの映画の完成を前に先立ってしまったことも哀しい。
いろいろな考えが浮かんでは消え、浮かんでは消えて、言葉にならないのです。
また、しばらくしたら見返そう。
ありがとう、アベンジャーズ。