きらきらひかる
薬師丸ひろ子つながりでもう一本。
江國香織『きらきらひかる』を僕が読んだのは、もともと「青空は天気雨」がこの映画の主題歌だったと知ったのが契機で、映画が先にあって原作を読んだわけだ。
しかし、映画の公開はとっくに終わっていたし、当時は映像作品をレンタルして観るという習慣がなかったこともあって、映画自体は観たことがなかった。
ところが最近(2004/7/14)になって「邦画蔵出しDVDシリーズ」としてDVD版が再リリース。最寄のレンタル屋に並んだので、なつかしさでつい手に取ってしまったのだ。
で、感想──
僕が思っていた原作のイメージに比べて、脚本がちょっと泥臭い気がした。
'90年代当時の常識で脚本が書かれたからかもしれない。
ゲイのカップルと女の子が出てくる話で、僕が原作の空気に近い(勿論、ストーリィは全然違うが)と思ったのは、中谷まゆみの戯曲の『ビューティフル・サンデイ』(サードステージ)だろうか。
知り合いがこの戯曲で公演を打ったのを観たことがあるだけで、サードステージオリジナルの舞台は見ていないのだが、この脚本は好きだった。
僕の中でこの作品を越えない。
ちなみに件の「青空は天気雨」は主題歌ではなくて、イメージソングだったらしく、作中では使用されていなかった……。
どうやら記憶違いだったようだ。ちょっと残念。
エンディングテーマは、チャカと昆虫採集の「大きな古時計」だった。
あ、チャカと昆虫採集も好きなんだけどね。CD持ってるし、在りし日の日清パワステのライヴに行ったこともあるし……。
『きらきらひかる』(1992)
監督:松岡錠司
脚本:松岡錠司
イメージソング:PSY・S「青空は天気雨」
出演:薬師丸ひろ子/豊川悦司/筒井道隆/大島智子/関口めぐみ/阿藤海/川津祐介/岩本多代/加賀まりこ/津川雅彦
原作:江國香織