『星の王子さま』揃い踏み

というわけで、現在手に入る、あるいはこれから手に入る『星の王子さま』(正確に言うならアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ作『Le Petit Prince』の和訳本)をずらずら並べておきます。 星の王子さま オリジナル版内藤濯訳・岩波書店 言わずと知れた岩波書店の内藤訳、定番です。愛蔵版が有名ですし岩波少年文庫版もありますが、最近はオリジナル版の方が売れているようです。何がオリジナルなのかというと、2000年を機に正確な挿絵が使われるようになったことと、底本にあわせて文章を横書きにして左綴じというスタイルを採用したことを指しているらしいです。横書きの方が、挿絵と文章の配置的にしっくり来るようですね。 ちなみに、濯は「あろう」と読みます。 http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/11/8/1156760.html 星の王子さま(三野博司訳・論創社 ここでも紹介しました。新訳の一番乗り。手ごろなお値段と簡潔な文章が魅力的だと思います。 詳しくは、三野博司訳『星の王子さま』へ。 新訳 星の王子さま(小島俊明訳・中央公論新社 水色の表紙が特徴的な小島訳。岩波のオリジナル版同様、横書き(左綴じ)です。あとがきは簡潔でした。 そうそう、俊明は「としはる」ですよ。 http://www.chuko.co.jp/new/2005/06/003643.html 新訳 星の王子さま倉橋由美子訳・宝島社) 『大人のための残酷童話』の倉橋由美子訳。大人のための訳というコンセプトだそうです。残念なことに、倉橋由美子さんはこの訳本の出版を待たずして、本年6月10日、他界されてしまいました。冥福を祈ります。 http://tkj.jp/tkj/books/4796646957/ 小さな王子さま(山崎庸一郎訳・みすず書房 内藤訳によって良くも悪くも普及してしまった『星の王子さま』という邦題を使わず、あえて原題により忠実なものにしていますね(Princeの訳語に「王子さま」が最良か、という疑問はさておき)。今のところ、これだけのようですが。 8/23発売予定とあるので、今日あたり書店に並んでいるでしょうかね? http://www.msz.co.jp/titles/06000_07999/ISBN4-622-07158-4.html 8/24追記:書店で確認しました。巻末の訳注が特徴的でした。 星の王子さま池澤夏樹訳・集英社 作家、池澤夏樹氏による翻訳。ラインナップを見ると、文庫版も出る模様ですね。 8/26発売予定。 http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-773434-X&mode=1 あ……。それと、気になるものがひとつ……。 超訳 星の王子さま辛酸なめ子著・コアマガジン アマゾンで「星の王子さま」で検索したら出てきました。これは一体!? 11月発売予定らしいですけど……謎が謎を呼びます。訳本ではないと思うんだけど……。