Sh15uya シブヤフィフティーン
少年はシブヤの雑踏で目覚める。
しかし、記憶は何もない。あるのは「シブヤから出ろ レヴ」と書かれたメモ書きだけだった……。
この作品が深夜枠(関東のみ)で始まるとき、田﨑竜太監督、芳賀優里亜、唐橋充などの名前があったので、興味はあった。
ただ、毎週、深夜に同じ時間にテレビの前で忘れずにいられる性分ではなかったし、遠方に出向していた身であったので、レンタルビデオが出たら観ようと思っていた。が、行きつけのレンタル屋には入荷しなかったのだ。
というわけで、随分と観る機会を逃していたが、ようやく観ることができたので、ちょこっと感想など。
絵的には、ストリートキッズ(ギャング?)たちのバトルを描いたストリートアクション作品に見えるが、《壊れた》15歳を間引きに来るピースという謎の存在、そのピースと立ち向かう力を持つ少女エマの存在が、この作品を特撮アクション作品たらしめている。
といっても着ぐるみ怪人が出てくるわけではなく、人間対人間のアクションが基本なので、ならではのスピード感があった。
エマのバトルスーツは、『ゼイラム』の森山ゆうこを思わせる顔出しスーツなので、顔の見えないシーン以外のアクションは吹き替えを行なっていないと思うのだが、エマ役の新垣結衣は頑張っていたと思う。
役者的にはブンカムDJ役の植原卓也(HEADS)が好きだったかな?
渋谷によく似た《シブヤ》という限定されたサイバスペースから出ることを許されない15歳たち、という設定は、当初、『東京ミカエル』を連想させたが、内容はどちらかといえば少年向けSF小説っぽくて懐かしかった。
これは、『時をかける少女』や『なぞの転校生』(SFベストセラーズ!)と同列で語られるべき作品なのかも知れない。
30分番組の全12話ということで、テーマ的にすべてを語ることはできなかったのだろうが、もう少し、15歳という年齢に限定した意義、というか機微な部分が見えると良かったかな?
ラストも、最初からツヨシとエマの話ということで改めて見てみれば、あれで完結しているのだろうけど、アサギというファクタのフォローももう少し欲しかった気がする。
何かありそうだと匂わすだけ匂わせていたオオトモももう少し絡んでくれたらな、とちょっと残念。
タイトルからも連想されるとおり、ロケ地の殆どは渋谷。
よく行く見知った場所が舞台なので、ある意味親近感。ギャングチームの名前も、公園通りを根城にした「パルハンズ」、道玄坂の「ラブゲン」、文化村通りの「ブンカム」と愛らしい。
SHIBUYA109(東急)の隣にSHIBUYA108(東映)があるのも笑えるし、カウントダウンが110進法だというのも笑えた。
以前、よく食べに行っていた「真希そば」渋谷店の前でアクションしていたシーンでは、なんだか嬉しくなってしまった。
心痛くなる風景もあったけどね……。
映像特典のトークなどを見るとモブのエキストラは本物の通行人を使用しているところも多いみたいなので、撮影は大変だったろう……。
また、ピースと化すシブヤの住人たちは、須賀貴匡、天野浩成、杉山彩乃、高槻純、遠藤嘉人、山﨑潤というある意味豪華なゲストたちによって演じられていて、なんとなく嬉しかった。
平成仮面ライダーの立役者たちによる、御当地サイバアクションジュヴナイル。
観て損はない作品かと。
『Sh15uya シブヤフィフティーン』(2005/1/10〜3/28:全12話)
総監督:田﨑竜太
脚本:米村正二
監督:田﨑竜太/鈴村展弘
プロデューサ:加藤和夫(東映ビデオ)/松田佐栄子(テレビ朝日)/矢田晃一(東映エージェンシー)/白倉伸一郎(東映)/武部直美(東映)
音楽:蓜島邦明
出演:悠城早矢/新垣結衣/芳賀優里亜/山下亨/加藤真央/植原卓也/中村康平/小浜良太/近野成美/須賀貴匡/天野浩成/岩井七世/杉山彩乃/小島愛/阿井莉沙/高槻純/遠藤嘉人/山﨑潤/松山鷹志/弓削智久/唐橋充/マーク武蔵
主題歌:「せカゝι)σおわ└)」小枝
製作:東映ビデオ
⇒東映ビデオSh15uya特集ページ ⇒Sh15uya 5108 ⇒公式サイト(デッドリンク)
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