おしらす

先日、江ノ島にしらすを食べにいったという話をしたけど、
僕にとって「しらす」とはそもそも「食べに行く」ものではなかった。

まるで名物のようにあちこちの店で「しらす」「しらす」と書く江ノ島
違和感を感じていた。

だって、しらすなんて、清水では
「またしらすぅ?」って言いながら食べるものだったから。
つねに家の冷蔵庫には釜上げしらす(ゆでしらす)が
テンコ盛りの状態でお椀に入っていて、
サランラップをはがして勝手にごはんにかけて食べるものだったから。
「しらす」っていうのは「ふりかけ」とほぼ同義だったわけだ。

でも、江ノ島しらす丼を食べてみて、気付いた。
「最近、しらすを食べてない……」ということに。
久々に食べたのだ。
黒はんぺん以来のショックだ。
自炊しないせいで、
自分でスーパーとかにいかないから見ないのだ、
と勝手に思い込んでた。

今日、とうきゅうスーパーに行って気付いた。
スーパーであつかっているのは、ほとんどがじゃこ(干ししらす)だ。
釜上げしらすのパックもあったが、少量でしかも高い。
なんだこれ……。

しらすってのはもっと無造作に大量にあるものを
スプーンですくって、もっさもっさごはんにかけるものではないのか?
たまにしらす以外の小さなタコとかエビが入っているのを見つけたりして
幸せな気分になったりするものじゃないのか?
でも、基本的に「またしらす〜?」と文句を言うものじゃないのか?

やばい。
カルチャーショック。

港の民は、幼少期から美味いものを
ありがたがらずに食ってるようです。反省。