続編と後継作
作品が世に出れば、受け手の注目が「次回作」に向くというのはごくごく自然のことである。
何をもって「次回作」とするかは、コミックや小説なら、基本的には作者は一人(もしくは少人数)だったりするので、考え方は非常に楽なのだが、ゲームや映画など、関わる人間が多くなってくると話はちょっと複雑になってくる。
映画だったら監督や役者で判断する人も多いのかな。僕らが作っているような恋愛ADVゲームだと、ブランド、原画家、シナリオライタなどで判断する人も多いだろう。
ここでは主にゲームの話をしてみたり。
単純に「次回作」と書いてしまうと、単にそのメーカから発表される次の作品という意味もあるのでややこしいけど、今回は「その作品」を受け継ぐ「次の作品」という意味で受け取ってもらえたらありがたい。
その「次回作」には、大雑把にわけると二種類が存在する。
そのうちのひとつは「続編」。前作の世界観やストーリィを受け継いだものが多い。
基本的には、時系列的に作中の「後日談」であることが多いが、場合によっては時系列的に前だったり、直接の続編ではなくスピンオフ的な作品であったり、登場人物の姿カタチや名前などを受け継いではいるものの別世界の別の話だったりすることもあるが、そういったものも含めて、ここでは「続編」に分類したい。
で、もうひとつをあえて「後継作」と呼んでみる。
いや、「続編」も「後継作」ではあるのだけれど、便宜上というか何というか、「続編」ではない後継作品をここでは「後継作」と呼んでみよう、というわけ。
大雑把な説明をしてみると、例外もあるが基本的には「同じメーカ、同じスタッフなど」が製作した、「同じジャンル」の「別作品」ってことになる。
僕が関わってきた作品だと『フーリガン』の後継作品は『アズラエル』、『セパレイトブルー』ということができる。同じメーカから発売された同じプロデューサ、同じディレクタ、同じイラストレータに同じライタという非常にわかりやすい後継作品のカタチだ。一部、世界観が共通だったりもするけど、「続編」とは言えないだろう。
「続編」ものをあまり作らないクリエイタ固定のメーカの作品は自動的にこっちに分類されてしまうけどね。
『カナリア〜この想いを歌に乗せて〜』⇒『グリーングリーン』は、メーカが違うが後継作と分類する人も多いように思う。
中には、続編と後継作、どちらに分類していいかわからない作品もあるとは思うが、まあ、大雑把にこんな分け方になるんじゃないかな、って話。
言ってることはものすごく単純なんだけど、言語で説明しようとすると難しいよね。
……って話をライタ仲間の横弥君にしたら、「『マクロス』に対する『オーガス』」という、とある世代には極めてわかりやすい補足をもらったので「じゃあ、それで」ってことに。
そんなオチ。