コレジャナイロボ
ここ最近、人為的にガンダムモチベーションを上げた結果、立て続けにガンプラを組んだってことはすでに報告済みですが、実際の話、僕のガンダムに対するモチベーションって、TVアニメでも、プラモデルでもなくて、ゲームがメインなんですよね。
これでも一応、ゲーマですから。
特に昔の僕を良く知る人なら知ってるとは思いますが、ロボット操作系のアクションゲームは好物で、一時期はホントにアホかというくらい金銭をつぎ込んだモノです(今は反省してます……)。
『模型戦士ガンプラビルダーズ』だって、下地にゲーム的な要素があったからハマったと言っても過言ではありません。
そんなわけで、先日、久々にガンダム系のゲームがやりたくなって、PS2版の「連邦VS.ジオンDX」を引っ張り出してきて、嫁と一緒にプレイしてみました。
流石に面白いです。
面白いですが、もはや地デジ化したテレビ環境では、ちょっと画質が厳しいですよね。
しかも、テレビを占拠してしまうと、テレビっ子の嫁がテレビを見られなくなってしまいます。
そんなわけで、手近なところでPSP版のガンダムゲームを楽しもうと思い、カメレオンクラブに行ったら『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS』が結構、お安いお値段で売っていたので、買ってみることにしました。
『NEXT PLUS』は、カプコンが開発しているガンダムの「VS.シリーズ」の比較的新しいゲームで、2009年12月に発売。
PSPでプレイできるものでは最新のものです。
知ってる人には説明する必要のないことではありますが、元々は、この「VS.シリーズ」、
・機動戦士ガンダム「連邦VS.ジオン」
・機動戦士ガンダムSEED「連合VS.ザフト」
・機動戦士ガンダムSEED DESTINY「連合VS.ザフトII」
といった感じで、それぞれの「作品世界」の中で戦争をしている両陣営にわかれて2対2で対戦するアーケードゲームで、「ロボット操縦ゲーム」に「対戦格闘ゲーム」の要素を取り込むことでヒットした名作でした。
で、「ガンダムVS.ガンダム」というのは、作品の垣根をとっぱらって、全ガンダムシリーズの主役機とかライバル機が勢ぞろいして対戦できるようになった、お祭りゲームみたいなものです。
その続編が「ガンダムVS.ガンダムNEXT」、それに追加要素を足して家庭用ゲーム機で遊べるようにしたものが「ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS」というわけです。
作中の時代が離れてる作品同士、あるいはそもそも世界観的につながってない作品同士のありえない対戦も楽しむことができるわけですが、ガンダムも放映開始から30年を超えたシリーズであるため、全部の作品の主役級の機体やライバル系の機体を揃えてしまうだけで、かなりの数になってしまいます。言ってみれば、ガンダムオンパレードです。
もともとの「VS.シリーズ」には、一般の兵士が乗るような量産型の機体や、マニアックな機体などでも、主役機とわたりあう楽しさがあったので、主役級ばかりを集めた(野球で言うと「オール4番」みたいな)ゲームは、なんとなくイメージが違うわけです。
まあ、それでもガンダムは作品ごとの人気に差があるので、最初の「ガンダム」や「Ζガンダム」、女性にも人気の高かった「ガンダムW」や「ガンダムSEED」などといった作品を除くと、独立したゲームタイトルとして販売しても売り上げが期待できないといった面があるらしく、こういった「ごった煮ゲーム」じゃないと、登場しない作品、登場しない機体があるのも確か。
そんなわけで、割り切って買うことにした次第です。
僕の好きな「ガンキャノン」や「ΖΖガンダム」も使えるし、最近、プラモデルを作ったばかり「ガンダムヴァーチェ」や、episode 4の公開が待ち遠しい『機動戦士ガンダムUC』の「ユニコーンガンダム」や「クシャトリヤ」なども使えるわけですしね……。
で、実際に購入してプレイしてみたわけですが、何ていうんだろ……?
全編に渡って妙な「これじゃない感」を感じてしまいました。あくまで個人的な話ですけどね。
いや、面白いことは面白いんですよ。かなり。よくできてる。
さすがVS.シリーズの続編。
でも……「僕がやりたかったのは、このゲームじゃない」感が半端ないわけです。
まさに、コレジャナイロボ。
ステージが始まれば、流れ始める各作品の「主題歌」、歌が流れないのは、海外版権で難しい「Ζガンダム」くらい。
そして、選択した機体のパイロットが喋る。タッグを組む僚機のパイロットとからむ。そして、戦っている最中、これでもかというくらい、延々としゃべり続ける。喋るなとは言いませんが、喋りすぎのように感じました。
そして、勝てばモビルスーツが人間的な勝利のポーズ、負ければ、落ち込んだ風のポーズ。ガンキャノンは岩を投げるし、ΖΖは近接戦闘がスクリューパイルドライバーだし……。
つまり、ガンダムVS.ガンダムは「キャラゲー」に近い性質のものだったということです。
以前のVS.シリーズって、どちらかといえば「シチュエーションゲーム」の印象が強かった気がします。機体を選択して、パイロットを選択して……。
もちろん、パイロットも少しはしゃべりましたが、どちらかといえば、重要なのはオペレータの方でした。ガンダムでも、Ζでも、SEEDでも、SEED DESTINYでも……。
もっとマニアックな操縦シミュレータ系のガンダムゲームが存在するのでそっちをやればいい話なのかも知れませんが、VS.シリーズでも、オペレータがいるからガンダム……みたいなところがあったように思います。
オペレータという要素をオミットすることによって、少なからず臨場感がスポイルされてしまったような気がします。
歌もたまにはいいんですよ。以前の作品でも緊迫したBGMが続く中、アクセントとして「哀戦士」や「銀色ドレス」などの挿入歌が流れると「おお!」って思いましたし。
でも今回は、延々とひたすらバックに主題歌が流れ、敵味方入り乱れてパイロットがしゃべりまくって、耳が休まる暇がないです。
対戦ゲームとしての「対戦する楽しみ」の部分は変わってないのですが、「戦ってる雰囲気を楽しむゲーム」じゃなくて、「モビルスーツ」や「パイロット」をキャラクタとしてとらえたキャラを楽しんでもらう演出方針が強くなっているわけです。
出来はいいですけど、ちょっと僕がやりたかったものとは違いました。残念。
ん〜、でも、モビルスーツでスクリューパイルドライバーが許されるのは、ギンザエフ大尉だけだと思うんですよね〜。
PSPでVS.シリーズを買うなら、『連合VS.ザフトPORTABLE』にすればよかったのかも知れません。
それならお気に入りの「ザウート」や「カラミティ」で戦うこともできたわけです。
『エゥーゴVS.ティターンズ』系のPSP版が出るといいんですけどね。出してくれないかなぁ?
今度、VS.シリーズの最新作『機動戦士ガンダムEXTREME VS.』の移植版がPS3で出るらしいですが、今後も新作はオールスターシリーズのみなんですかね?
まあ、それはそれで需要があると思うので無くす必要はありませんが、ここは基本に立ち返って、シチュエーション重視の個別タイトルものを出して欲しい気がします。
そんなわけで、最新作『機動戦士ガンダムUC』をベースにしたVS.もの「ロンドベルVS.袖付き」(「連邦VS.袖付き」のほうがいいのかな?)、出てほしいなぁ。
んでもって、「エゥーゴVS.ティターンズ」までに出てきたモビルスーツや、「ガンダムVS.ガンダム」で登場した(ガンダムUC以前の)宇宙世紀系のモビルスーツをゲスト出演させれば、宇宙世紀VS.シリーズの決定版になりそうな気もしますが?
ダメですかね? 需要はありそうです。