赤羽と流星人間
本日、赤羽にある某お寺にお参りに行ってきた。
蒸し暑いし、駅からちょっと歩く場所にあるお寺なので、バスなどで行った方が良かったのだが、いつもの習慣で相方と一緒に子供を乗せたベビィカーを押しながら、てくてくと歩いて向かっていた。
そろそろ、子供がミルクを欲しがって泣く時間だな……などと思っていると、案の定、子供が泣き出してしまった。
しかし、周囲は赤羽の住宅街。
ベビィルーム(授乳室)のある施設とか多目的トイレがあるような場所はおろか、単なる喫茶店すらなさそうだ。
なので、仕方ないので周囲にある団地の中の寂れたシャッタ商店街へ入り、ベンチの上でミルクをあげることにした。
その寂れた団地商店街に奇妙な既視感……。
そう、そこは以前、『モヤモヤさまぁ〜ず2』の北赤羽(と言うには北赤羽駅から離れすぎてたけど)の回で紹介されていた「桐ヶ丘中央商店街」だったのだ。
いや〜、時代から取り残された感のある素敵なモヤモヤSpotでしたよ。
そこでミルクをあげていたら、近くのベンチに座っていたお婆ちゃんが語りかけたりしてくれて、なんとなく昭和的ほっこり気分に。
で、そこの商店街で見つけたのがこれ。
『流星人間ゾーン』のライド(コイン式の電動遊具)。
「ウルトラマン」ではなくて「ゾーンファイター」というのが渋い。しかも片腕。
知らない人のために一応、補足しておくと『流星人間ゾーン』というのは1973年に放映された特撮番組。
第二期ウルトラシリーズ全盛に制作された東宝(東宝映像)の巨大ヒーローがこの「ゾーンファイター」だ。
東宝の特撮巨大ヒーローということで、ゴジラやキングギドラ、ガイガンなども登場してしまう、太っ腹な番組だったらしい。
ただ、1971年12月生まれの僕は、当時、まだ一歳。流石にこの番組を観たという記憶がない。
そもそも、静岡で放送されたかどうかも定かではない。日テレ系列での放映だったということだが、静岡で日テレ系列の静岡第一テレビが開局したのは1979年だし……(WikipediaによればTBS系列のSBSで水曜夕方に遅れて放送していたらしい)。
ただ、観たこと(観た記憶)がない『流星人間ゾーン』なのだが、幼少期の僕は、秋田書店刊「◆写真で見る世界シリーズ◆流星人間ゾーン図鑑」(冒険王編集部編)という一種の怪獣図鑑的な本を後生大事に持っており、他に怪獣・怪人大百科的な本を持ってなかった僕は、過去のヒーローであるゾーンの活躍を記したその「歴史書」を、それこそボロボロになるまで読み込んでいた。
子門真人さんの唄う主題歌「流星人間ゾーン」やエンディング「流星ビクトリー」が収録されていたレコードも所持していたので、観たことのないゾーンに対して、子供の頃の僕は、結構、詳しかったはずだ。
僕にとってゾーンとは、むしろ三国志の英雄や、戦国時代の武将に近い、歴史書の中で輝くヒーローだったといえる。
そんなゾーンに出会わせてくれた赤羽は、やっぱりなかなかのモヤモヤSpotだと思うわけなのだ。