39番目のウルトラ戦士

ちょっと前(一ヶ月くらい?)の話になってしまうが、『ウルトラマンギンガ』の第二期となる『ウルトラマンギンガS』が7月から始まることが発表された。

39番目の新ウルトラヒーロー「ウルトラマンビクトリー」登場!新TVシリーズ『ウルトラマンギンガS』が2014年7月15日(火)よりスタート!(円谷ステーション)

正直な話をすれば、円谷50周年を背負って鳴り物入りで始まった『ウルトラマンギンガ』に対して不満がないわけじゃない。応援したい気持ちはあるし、劇場スペシャル1と、番外編の「残された仲間」は面白かったけど、TV本編や劇場スペシャル2はどちらかといえば不満の方が多かったように思う。感想を書こう書こうと思いつつ、なんだかんだで現在に至る。

『ギンガS』は面白くなるといいな、と、やはり姿勢的には応援で。

今回は、あの個人的に大ハマりした『ウルトラ銀河伝説THE MOVIE』や『MOVIE大戦MEGAMAX』の坂本監督がメイン監督を務めてくれるというので、メリハリのある作品を期待したい。

閑話休題。今回はそれが本題じゃない。

本題はウルトラマンビクトリーの話だ。

前々からビクトリーの姿形はシルエットで出ていたが、今回はハッキリと発表されて、想像と違うカラーリングにちょっとびっくりしたりもしたのだが、それも一ヶ月前の話。

何故、こんなエントリィを今更、打ち込んでるのかと言えば、記事がウルトラマンビクトリーのことを「39番目の新ウルトラヒーロー」だと言っている。その件に関してだ。

ビクトリーが39番目とするなら、ギンガは38番目のウルトラ戦士と言うことになる。

そうなの? そもそも何をもって39番目とするんだろう?

ちょっと考え込んでしまった。

僕の手元には、息子に買ってあげた「オールウルトラヒーロー ベスト大図鑑43」という講談社のテレビ絵本がある。

「これ1さつで、ウルトラせんしのすべてがわかるぞ!」と豪語する勇ましい絵本だ。

この絵本によれば、タイトルにある通り、ウルトラマンギンガも含めて43人のウルトラ戦士がいることになる。

内訳はといえば、

ギンガ、ゼロ、ベリアル、ウルトラマンウルトラセブン、セブンX、ウルトラのはは、ウルトラのちち、ゾフィー、キング、ネオス、セブン21、ジャック(「かえってきたウルトラマン」や「しんマン」ともよばれているよ)、A、タロウ、レオ、アストラ、80、ユリアン、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、コスモス、ジャスティス、レジェンド、ネクサス、ザ・ネクスト、ノア、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリ、サーガ、グレート、パワード、ゼアス、ナイス、ボーイ、ジョーニアス、ベス、スコット、チャック(掲載順)

……で、43人だ。幼児向けの絵本ながら、「帰ってきたウルトラマン」や「新マン」の呼称に触れているし、セブンとセブンXを別にカウントし、ジンの顔写真まで載せている。本来はノアの別形態であるはずのネクサス、ネクスト、ノアを別々にカウントしている上に、姫矢、憐、真木、孤門といったデュナミストたちの顔写真も載せている(ちなみに人間の顔写真はジンとデュナミストたちだけしか載っていない。渋いセレクト)。

ウルティメイトフォースゼロの面々やレイモンはゼロの仲間として紹介されはしているが、ウルトラ戦士には数えられていない。

これが講談社の絵本の見解だ。幼児向けの絵本なのに、かなりマニアックだ。

もちろん、「え? ベリアルも入れるの? 悪役なのに」とか、「セブンとセブンXやネクスト、ネクサス、ノアを別カウントするの?」とか、人によっては異論があるかもしれない。また、別の人は「ジョーニアスの仲間も入れるべきだ」とか「レジェンドとサーガは違うんじゃね?」と言うかもしれない。

ウルトラマンベリアルをカウントに入れるのは自分も躊躇するだろう。他作品で敵として出てくる闇の巨人たちと、基本的には大差ないからだ。ただ、他の敵性巨人(イーヴィルティガやカミーラ、ダークザギなど)と違い、確かにベリアルは「ウルトラマン」の名を冠している。それを言ったら、ウルトラマンシャドーだって(彼はロボットだが)冠しているし、逆に光の巨人でもゾフィーやアストラ、ユリアンは冠していない。すでに脳内は混迷を極めているw

ここに別の資料がある。

円谷プロファンクラブ会報のポスター「TSUBURAYA HERO ALL STARS」だ。

見ると錚々たる面子が並んでいる。アイゼンボーグやコセイダーなどウルトラシリーズ以外の懐かしのヒーローもいて血が滾るが、ここはとりあえず置いておいて、ウルトラ戦士だけを数えてみる。

同じウルトラシリーズでもアンドロ超戦士やウルティメイトフォースゼロの仲間、レイモンやウルトラニャンを除いてカウントすると、

ウルトラマンゾフィーウルトラセブン、新マン、A、父、タロウ、母、レオ、アストラ、キング、ジョーニアス、エレク、ロト、アミア、80、ユリアン、スコット、チャック、ベス、グレート、パワード、ゼアス、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、ナイス、ネオス、セブン21、コスモス、ジャスティス、レジェンド、ザ・ネクスト、ネクサス(ジュネッス)、ネクサス(ジュネッスブルー)、ノア、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリ、セブンX、ゼロ、ベリアル(アーリースタイル)、サーガ、ギンガ(掲載順)

……なんと円谷的には46人もの戦士がいることになっている。

上の講談社の絵本との違いは、ジョーニアスの仲間、エレク、ロト、アミアをカウントしているところ、それからネクサスのジュネッスとジュネッスブルーを別のヒーローとして区別している点だ。ベリアルをカウントしているところは同じだが、あくまでレイブラッド星人と融合して完全な悪に染まる前の姿(アーリースタイル)が「ヒーロー」だとしている。また、ウルトラマンボーイはヒーローではない、という解釈なのか、載っていなかった。まあ、確かに彼は戦士ではない。

どちらもちゃんとセブンXをカウントしてるところが素晴らしい。

実は『ULTRASEVEN X』に出てくるセブンXは、主人公ジンに異世界から来たセブン本人が憑依していた姿だということが終盤に判明する。しかし、セブンXはジンがヒーローになった独立したヒーローである、という考えは両者とも共通のようだ。

ダンが変身しようと、カザモリが変身しようとセブンはセブンだが、セブンXはセブンじゃない、ということだろう。

ジュネッスとジュネッスブルーをそれぞれ独立したヒーローだと解釈するのは個人的には賛成で、力の供給源である光が同一でも、真木、姫矢、憐、孤門の変身するウルトラマンがそれぞれ「ヒーロー」だったと考えるべきだと思うのだ。ノアの化身が同一のウルトラマンとするなら1、ノア、ネクスト、ネクサスという形態で考えるなら3、変身者の数であれば物語の都合上、凪副隊長もデュナミストなので5と数えるべきだが、やはりNプロジェクトにおけるヒーローは4人だと考えたい。

仮面ライダーの数え方でもそうなると思うが、「変身者」の数でも「光の巨人」の数でもなく、「ヒーロー」としてのウルトラマンの数を数えるのだ(だからこそ、見解に相違が出るんだけど)。

と言いつつも、コスモスとジャスティスの融合した姿であるレジェンドと、ゼロ、ダイナ、コスモスの融合体であるサーガを「独立したヒーロー」だと捉えるのには、ちょっと抵抗がある。タロウのスーパーウルトラマンメビウスのインフィニティーと違って彼らは独立した姿と名前を持ってはいるが、本質的には同じな気がするし……。

また、ウルトラ兄弟を基準とした場合、父、母、キングはカウントしないで「○番目の戦士」という言い方をすることもあるのでややこしい。確かに、彼らはヒーローじゃないのかも知れない。勿論、彼ら自身が矢面に立つこともあるが、基本的には子供の喧嘩に保護者が介入しないというのが基本姿勢なのだろう。子供がウルトラマンになりきってごっこ遊びをする際、彼らのパパやママ、祖父が父、母、キングになる、という「枠」として解釈すべきなのかもしれない。各作品の主役たちにゾフィーとアストラを加えたものが兄弟ってことで良いのだろう(後に80やメビウス、ヒカリも加わったが)。

ゾフィーといえば、ウルトラセブンにおけるゾフィー的なポジションとしてセブンと同じ姿のM78星雲人が登場する。後に「セブン上司」と名付けられた彼だが、彼はこういう時にはカウントされなくて可哀相だ。まあ、戦士じゃないんだからいいんだけどね。いつか彼が「戦士」として登場する日もあるのかも知れない。

兄弟を基準にカウントしてみても、M78星雲のウルトラマンが活躍する時空の出身じゃないウルトラマンもいるし、設定的にはM78星雲出身でも兄弟にカウントされてないウルトラマンもいるのでややこしいが、「戦士」はウルトラ兄弟+各作品の主役ウルトラマン(と準主役的なサブウルトラマン)的な数え方もあると思われる。

うむむ。

どこをどう取ればビクトリーが39番目になるのか、どうにもわからない。

公的の数え方がちゃんとあるのだとは思うが、多分、聞いても首を傾げるだけだろう(いつかは、ライダーとガンダムもちゃんとカウントしてみたいけど)。

とりあえず39に無理矢理はめ込んでみた。

以下はいくつかのパターン(ちなみに、どのパターンにもボーイ、およびU40のエレク、ロト、アミア、は含まれていない)。

・パターンA

ウルトラマンゾフィーウルトラセブン、新マン、A、父、タロウ、母、レオ、アストラ、キング、ジョーニアス、80、ユリアン、チャック、スコット、べス、グレート、パワード、ゼアス、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、ナイス、ネオス、セブン21、コスモス、ジャスティス、レジェンド、ネクサス、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリ、ゼロ、サーガ、ギンガ、ビクトリー

※ザ・ネクストとノアをネクサスに含み、セブンとセブンXを同一視した場合。ベリアルはカウントせず。

・パターンB

ウルトラマンゾフィーウルトラセブン、新マン、A、父、タロウ、母、レオ、アストラ、キング、ジョーニアス、80、ユリアン、チャック、スコット、べス、グレート、パワード、ゼアス、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、ナイス、ネオス、セブン21、コスモス、ジャスティス、ザ・ネクスト、ネクサス、ノア、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリ、ゼロ、ギンガ、ビクトリー

※セブンとセブンXを同一視。レジェンドとサーガは含まず。ベリアルもカウントせず。

・パターンC

ウルトラマンゾフィーウルトラセブン、新マン、A、タロウ、レオ、アストラ、ジョーニアス、80、ユリアン、チャック、スコット、べス、グレート、パワード、ゼアス、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、ナイス、ネオス、セブン21、コスモス、ジャスティス、ザ・ネクスト、ネクサス(ジュネッス)、ネクサス(ジュネッスブルー)、ノア、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリ、セブンX、ゼロ、ベリアル、ギンガ、ビクトリー

※父、母、キングを含まず。ネクサスは姫矢(ジュネッス)と憐(ジュネッスブルー)を別カウント。レジェンドとサーガを含まず。

公式的にはAが濃厚なのかな? なんか、どれも帯に短し襷に長しって感じがする。

個人的には、

ウルトラマンゾフィーウルトラセブン、新マン、A、父、タロウ、母、レオ、アストラ、キング、ジョーニアス、80、ユリアン、チャック、スコット、べス、グレート、パワード、ゼアス、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、ナイス、ネオス、セブン21、コスモス、ジャスティス、ザ・ネクスト、ネクサス(ジュネッス)、ネクサス(ジュネッスブルー)、ノア、マックス、ゼノン、メビウス、ヒカリ、セブンX、ゼロ、ギンガ、ビクトリー

で、ギンガが40番目。ビクトリーが41番目の「ウルトラ戦士」なのかなーとぼんやり解釈。あくまで個人的に。

ともあれ、ギンガがあれで終わりなのはどうにもしっくりきてなかったので、続編は大歓迎。

続投する根岸くんにも頑張って欲しいし、何より今回、ビクトリーに変身する役を担う宇治清高くんは、『仮面ライダーフォーゼ』でユニコーン・ゾディアーツ(新田)を演じていた役者さんだという。応援していこう。