劇場版『烈車戦隊トッキュウジャー』&『仮面ライダー鎧武』

9月になりましたね。

正直な話、8月は散々でした。というか、一気に通過してしまいました。

8月の頭に娘の四ヶ月健診があったのですが、そこで少々、問題がありまして、念のためにと、大学病院に紹介状を書いてもらったところ、即検査入院。さらに検査の結果、手術をした方がいいって話になって、トントントンと一ヶ月が経過してしまったように思います。

五ヶ月の小さな身体にメスを入れなきゃならない娘も可哀相でしたが、僕らが病院に通うために、二週間ほど実家に預けられることになった息子も可哀相でした。一歳児ならまだわけもわからなかっただろうに、三歳児なら親がいなくてもどこ吹く風だろうに……二歳はね、一番辛かったんじゃないかな?

いろいろな方のご助力があり、お陰様で先日、娘は退院することができ、息子も昨日、静岡から連れ帰ることができました。

でも、考えてみたら幸運だったのかもしれません。

健診でも、触診をしてくれた女医さんが首を傾げながら「気のせいかもしれないけど念のため……」と紹介状を書いてくれたのです。あの「気付き」がなかったら、もっと大変なことになっていたかもしれません。

あとは、予後が順調であることを願います。

さて、そんな「何もできなかった」8月でしたが、健診の直前までは普通に過ごしてました。

というわけで、一個前のエントリィにも書いてありますが、8月1日の映画サービスデーに、映画に行くことだけはできたんですよ。

今にして思えば、それだけが唯一、夏休みらしい出来事でした。

観てきたんですよ。

『烈車戦隊トッキュウジャーTHE MOVIE ギャラクシーラインSOS』&劇場版『仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦! 黄金の果実争奪杯!』を。

昨年のキョウリュウジャー&ウィザードは観に行けなかったので、戦隊&ライダーの夏映画としては二年ぶりの(劇場での)鑑賞になります。

男の子が生まれてから、「子供と一緒に特撮映画を観に行く」というのは、ある種、ひとつの目標でした。

すでに、しまじろうの舞台も観に行ったことがありますし(『いないいないばあっ!』は抽選で落ちました)、TOHOシネマズが時折やっている子供が泣いてもお互い様で全然OKのママ用映画「ママズクラブシアター」という催しで、『モンスターズ・ユニバーシティ』や『風立ちぬ』に連れてっているので、劇場鑑賞自体は問題ないのですが、一般枠で鑑賞するのは三歳くらいになってからだろう、と思ってました(さすがに特撮映画は、ママズクラブシアターにはかかりませんしね)。

が、相方が「こんなに鎧武とトッキュウジャー好きなんだから連れてってあげようよ」と言ってくれたので、下の子を母に任せ(丁度、実家に滞在中のタイミングだった)、夫婦と長男の三人でドリプラに行ってきた次第です。

後々のことを考えると、この日はとても楽しかったな……。

あ、ちなみに今年は僕一人で行けるタイミングで行こうと思ってたんで、一枚だけ前売り券を買ってあったんですが、1日の映画サービスデーだったので、前売り券は、あとで弟にプレゼントしました。

そう、実際、楽しかったんです。

特にトッキュウジャーは短いながらも、文句なしの面白さでした。

Eテレは子供が一歳になるちょっと前くらいから観始めたので、『アイ! マイ! まいん!』も終わる間際くらいは観ていた(といえば観ていた)のですが、子供にとってはあの枠は完全に『クックルン』、ということで、さすがに福原遥さんに反応したりはしなかったのですが、とても楽しかったです。

当初、その福原さん演じる車掌レディは、墜落してしまったギャラクシーラインが宇宙に帰れない原因について言及します。昔の人々は宇宙に想いを馳せていたのに、現代の人々はスマートフォンやゲーム機などを手に下ばかりをみている。この事態は現代人がイマジネーションを失ってしまったせいだと。この辺は昨今の現代社会に批判的な作品であれば、必ず出てくるようなありがちな批判です。しかし、それを逆手に取るような内容をトッキュウジャーの面々(主にライト)が見せてくれるのです。この辺は見事でした。

そこに虹をからめることによって、登場したばかり(撮影順で考えるなら映画の撮影の方が、トッキュウ6号登場話の脚本より先だったそうです)のトッキュウ6号を上手く絡めることができたのもニクい演出です。

また、なぜ宇宙烈車がサファリなのかはわかりませんが(星座かな、とは思いましたが、しし座、わし座、やまねこ座はあっても、ワニ座、パンダ座はないですものねw りゅう座とおおくま座かな?)、トッキュウジャーサファリへの乗り換え変身がいい感じでした。サンバルカンジェットマンなどの野生の力を備えた戦隊のマジ路線と森の動物戦隊シンケンジャーや動物戦隊ゴーバスターズなどのギャグ路線を兼ね揃えた感じが面白く、戦闘力の高い動物が続く中、5号がパンダで落とすという。もう、息子、大興奮でしたよ。

全般的に面白くて大満足でした。

それに比べると鎧武は、期待していた分、ちょっと乗り切れない部分はあったかな?

去年は戦隊側がJリーグとコラボしてましたが、今年はライダー側がJリーグとコラボ。ワールドカップ直後っていうのを狙ったのかも知れませんが、今回はワールドカップを見ている余裕がなかったので、相乗効果があったかどうかはわかりません。

内容的には、紘汰の話を聞いて謎の少年ラピスがサッカーに興味を持つくだりや、ダンスじゃなくてサッカーが流行っていた場合という沢芽市のifなど、序盤は面白そうだったのですが、「尺がないから登場キャラは沢山いるけど出すだけだよ〜」という感じの展開にちょっとしょんぼりしちゃいました。

TVシリーズ序盤でリタイヤしたはずの仮面ライダー黒影こと初瀬ちゃんがせっかく登場して、TVでは実現しなかった単独変身を見せてくれたのに、TVでは変身しなかったペコが、ゲネシスドライバーをどこからか手に入れてきて黒影・真なんて謎のライダーになってくれたりしたのに、なんか、全部、やらなきゃいけないことだから消化しましたって感じで(鎧武・闇とかもね)、盛り上がらなかったんですよね。

TV本編で変身できない脇キャラが変身するシーンって、普通、盛り上がるじゃないですか(555の啓太郎とか、ウィザードの凛子ちゃんを始めとするレギュラ陣とか)。でも、今回はホントに「変身しただけ」だったように感じました。残念。だったら、ラットも変身させてあげてよ。ザックもペコも変身しちゃったら、ラットの立つ瀬がないじゃないですか……(涙)、とか思いながら観てましたw

あと、途中、ある理由から鎧武が、ドングリアームズやらドリアンアームズやらになる展開があるんですが、観ながら「この流れなら絶対、ジンバーメロンになる! 滾る!」って勝手に期待しちゃったんですよ。

……実はですね、TVシリーズで、ジンバーメロンだけが登場してなかったのが気になってて、第36話の「斬月VS斬月・偽」のとき、期待しちゃったんですよ。「鎧武ジンバーメロンが今まで出なかったのは、このためか。旧斬月がジンバーメロンになって、偽りの斬月・真を倒してくれるんだ!」って(ミッチが大した考えも確証もなく、成り行きだけで右往左往する展開が面白くなかったので、さっさと倒されて欲しかったんですねw)。そしたら、肩すかしを喰らった上に斬月の戦極ドライバーも破壊されてしまって、意気消沈してたんです(結果、その後、だらだらと10話以上も盛り上がらない「流されるだけの男ミッチ」編が続くことになり辟易)。が、直後に封切りされた劇場版でこの展開。「そっか、この熱い展開でジンバーメロンを出すために温存してたのか。だったら納得!」と思ったら、流れを無視して普通にジンバーレモンに。ええ、まあ、何と言うかガッカリしましたw というかずっこけました。

事前に公開されたデザインで、仮面ライダー冠の神秘的なデザインをとても気に入っていたのですが、いざ変身したと思ったらすぐボールになってしまって見せ場なしで、これまたガッカリ。こういうのはもし仮に脚本上になかったとしても、演出側で見せ場を作ってほしいなって思っちゃいました。

せっかく全アーマードライダーが揃うことを売りにしていたのに、一斉変身のときに、理由もなくシグルドとデュークがいないのも残念でした。もちろん、あの場面でシドやプロフェッサがメリットもなしに一緒に戦ってくれそうな気はあまりしませんが、それでは存在しないことの理由にはなりません(彼らにもコウガネと戦う理由はあるしね)。特にシグルドは劇場公開時点ではすでにリタイヤしてますから、活躍が観たかったんですよね。TV本編ではありえない共闘があったら、燃えるじゃないですか。

全体的に、悪くはないけど、観たいものが観られなくてストレスのたまる映画、だったかな、と思いました。

満足したのは、作中でほとんどバイクを使わない鎧武において、この映画ではバロンがバイクアクションを頑張ってくれたこと、ですかね。そりゃハッピーセットのバイクもバロンだわ(マンゴーだったけどw)と言える程の、納得のアクションでした。

Jリーグが絡む内容の作品を、ドリプラ(エスパルスドリームプラザ)で観られたことも良かったかな?

でも、まあトッキュウジャー・鎧武含めて、全体的に楽しめましたし、何より息子が楽しそうだったのが一番です。

映画を観終わったあとも、映画のCMがTVにかかるたびに「これみた。みたね。ぱぱとー、ままとー。みたね!」って、つたない言葉で何度も言うんですよ。

よっぽど楽しかったんだろうなぁ……。

自分の経験から、二歳の頃のヒーローなんて全く覚えてないので、記憶には残らないかも知れないけど、心には残るでしょう。

そんなわけで大満足の映画鑑賞でした。

……実はポケモン映画の前売り券も買ってあったのですが、行けてません。そんな夏でした。

劇場版『烈車戦隊トッキュウジャー』&『仮面ライダー鎧武』公式