仮面ライダー鎧武に

先日、『仮面ライダー鎧武』の放映が終わった。 仕事関係の知人からは「たけうちさん」と呼ばれるが、プライベートの友人や劇団関係者からは「こうた」、「こうたさん」と呼ばれる僕にとっては、ムズ痒い一年だった。 公開当初は、鎧武者やフルーツといったモチーフよりも、紺色の素体にオレンジ色の鎧という配色に驚いたものだったが、よく見れば複眼やクラッシャのデザインはファイズを思わせるスタイリッシュさがあり、配色も観ているうちに慣れてしまった。 戦国MOVIE大合戦でウィザードと、合体スペシャルでトッキュウジャーと、仮面ライダー大戦で歴代ライダーたちと、30話で新生キカイダーとそれぞれ共闘し、クロスオーヴァも頻繁にやっていて好感が持てた本作だが、肝心の本筋の方はそれほど惹かれなかった。 エピソードをひとつひとつ重ねていく形式ではなく、ひたすらシームレスに連続していくせいか、キャラクタの気持ちが一旦、途切れたりしないのが災いして、逆に一貫性がないように観えてしまったり、脱線して本筋では観られないようなキャラの側面や本音が垣間見えたりしなかったこともあり、登場人物たちが魅力的ではなかったような気がしてしまったのだ。 それでも、カチドキアームズが登場するくらいまでは楽しめていたのだが、後半はひたすら状況に流されるだけのミッチを見せられるだけで、あまり楽しめなかった。 悪役として配されたキャラクタたちも、ポッと出てはやられてしまうので、彼らにどんな目的や主張があるのか見えず、ヒーローものに不可欠な「魅力的な悪役」がいなかったように思えてしまったのだ。 序盤:ワクワク、中盤:うむむ?、終盤:惰性って感じで鑑賞してしまった感は否めない。 まあ、個人的な要望はいろいろあったけど、それだけで長い記事が一本書けてしまうので、このくらいにしておいて(ホントはいろいろ書きたいw)。 それはそれとして、この作品は息子が生まれてから初めてちゃんと一緒に観た作品だった。それが一番重要。 息子が生まれたのが2012年の4月。だから鎧武は、ちょうど一歳半から二歳半の間に放映されていた作品、ということになる。 キョウリュウジャーの頃はまだラストのダンスくらいしか興味を示さなかった息子が、年明けくらいからまともに特撮番組を見るようになりはじめ、鎧武の展開とともに言葉を覚えていった。 最初の頃は、「がいん」とか「ばおん」とか言ってたのが、徐々に言葉もはっきりしだしてきて、ライダーだけではなく、色や果物も鎧武と一緒に覚えてきた感じだ。 オレンジ色や柑橘類を見た時に「がいむ」と言ったり、ブドウを見た時に「みっち」と言ったり(トッキュウ6号を見て「がいむ」と言った時は焦ったw)。 お陰で、いろんな果物の名前を覚えてくれたし、「マンゴー」なんて子供にはちょっと難しいと思われる果物も好きになってくれた。 スーパで1Lの紙パックのジュースを「どのジュースがいい?」とか選ばせたときに、なかなかマンゴーを選ばないでしょ、普通は。 僕の名前が「こうた」なせいで、息子の中では、パパ(僕)が鎧武担当、ママは女の子だからピーチ(マリカ)担当になってて、結果、自分はバロン担当ってことになってたようで、それもあるのかも知れない。 玩具展開もいろいろと面白かった。 まだDX玩具の変身ベルトを与えていたわけではなかったが、相方が出産のために九州に帰省している際、食玩戦極ドライバー(組み立て式のプラモデルのようなもの)を与えていたら、それが壊れてしまった(ドライバーのブレードを固定するパーツがなくなってしまって、ブレードが取れてしまう)にも関わらず、毎日、それで遊んでるというので、夫婦で話し合って、プレックスの「ミニ戦極ドライバー」を買って送ってあげたら、毎日のように腰に巻いて遊んでいたらしい(最近は、リサイクルショップで入手した中古のDXダブルドライバーにご執心だけど)。 ロックシードも、主に食玩(とガシャポン)のサウンドロックシードで遊んでいたのだが、これもなかなか楽しかった。ガイアメモリ同様、単体でも遊べるので、結構な数を揃えたんじゃないかな? 僕自身も息子の中で鎧武担当ということで、息子のためにオレンジのサウンドロックシードをバッグに付けて出歩く、というパフォーマンスをしてたりしてw 近所の商店街主催の鎧武ショーにも息子を連れて行ったし、夏の映画も一緒に行った。 まさに息子にとっても僕ら夫婦にとっても、初めてづくしの思い出のライダーが鎧武ということになる。 話は(最終的には)イマイチ乗り切れなかったけど、久々の複数ライダーもので、いろんなライダーを楽しめたし(スペックによる戦力差をつけすぎたせいであまり脇が活躍できなかったけどね)、終盤の展開はともかく後半途中までのバロン(戒斗)はカッコ良かった。 新感線の吉田メタル氏が仮面ライダーになる、なんて演劇ファン垂涎のイベントもあったし、なにより作中では仮面ライダーナックルがずっと「仮面ライダー」しててくれた。 ナックルは好きなライダーに入ったので、そのうちフィギュアは欲しいなぁ(食玩は持ってるけど)。 前にも書いたけど、自分は二歳の頃のヒーローなんてあまり覚えていない。 だから、息子にとっても鎧武はそんなに記憶に残らないかもしれない。でも、これから小学校入学するまでの間の数年間、彼はいろんなヒーローに出会うことだろう(個人的な持論では、四歳の時のヒーローが一番思い出のヒーローになる可能性が高い)。 その皮切りになってくれた『仮面ライダー鎧武』という作品に、ありがとう&お疲れ様と述べたい。 明日からは、新番組『仮面ライダードライブ』が始まる。 今、ちょうど息子は静岡に行ってしまっているので、第一話を一緒に観ることはできないが、こちらも楽しみだ。期待して今夜は眠りに就こうと思う。 仮面ライダー鎧武テレビ朝日公式) 仮面ライダー鎧武東映公式)