MOVIE大戦フルスロットルとトッキュウジャーVSキョウリュウジャー

劇場版『ウルトラマンギンガS』の感想と前後してしまいましたね。すみません。 世間ではすでに、恒例となりつつある春の大戦映画枠『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』が始まってしまっていますが、年末の引っ越しから確定申告にいたるまでのバタバタで書けなかった、仮面ライダー×仮面ライダードライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャーTHE MOVIE』の感想も記しておこうかな、と思ってみた次第。 同じくヒーロー映画の『ベイマックス』に関しては、もうすぐブルーレイが出るので、それで吹き替え版も鑑賞してから感想を書こうかな(劇場では字幕版を観たので)。 さてさて、MOVIE大戦は、ディケイドが平成一期を総まとめしてくれて、平成二期の1号であるWに橋渡しする2009年末に始まり、戦隊VSは元々はVシネマだったものが、2009年初頭『炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』で急遽、劇場公開されることになって以降、恒例化したもので、年末年始の風物詩と化しています。 どちらも新旧ヒーローのクロスオーヴァを描くものですし、公開時期も近いのですが、両者の役割はいささか違ったものになっています。 12月に公開される「MOVIE大戦シリーズ」は、終わったばかりの前ライダーと始まったばかりの現行ライダーの橋渡しをするものです。前ライダーの最終回後の物語(後日談)を拾いつつ、現行ライダーの本筋とは違う事件を描き、最終的に両者の物語がクロスオーヴァする、という疑似併映形式。年末(クリスマス過ぎ、お正月前)にベルトが発売される現行側の2号ライダーのお披露目、という役割も担っています。 対して年明けに公開される「戦隊VSシリーズ」は、最終回間際の現行戦隊と、一年前に終了した前戦隊の対決からの和解、共闘を描くもの。以前は接近遭遇から描いていましたが、最近は、それ以前のクロスオーヴァで出会っている場合もあるので、作品ごとにまちまち。それから、もうすぐ始まる新戦隊のお披露目も兼ねています。 そんなわけで、現行のヒーローと一代前のヒーローのクロスオーヴァを描く、という点では共通しているのですが、上映時期が全然違うため、前戦隊との同窓会的な雰囲気の戦隊VSと、新ライダーのこれからを描くMOVIE大戦では、性格が大きく違ってくるわけです。 もうひとつ、現行ライダーと現行戦隊が共闘する春の大戦映画という枠もあるのですが、最近はライダーメイン(というか元々、ライダー側の企画ですが)で戦隊はゲスト程度。ライダーと戦隊の邂逅は、同時期にTV放映する合体スペシャル番組で、ということになりつつあるみたいですね。 さて、まずは『仮面ライダー×仮面ライダードライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』。息子たちと12月13日に鑑賞しました。 平成一期のような世界の根本に関わる設定があまりないので、平成二期は、パラレルと地続きの間をうまくすり抜けて、世界観が「緩く繋がってる」感を出すことに成功していました。 でも、流石にヘルヘイムの侵略と対応が世界規模で起こっていたので、鎧武とドライブの世界観の両立は難しいかとも思っていたのですが、一応、鎧武も後日談的な最終回を、ラストバトルの「七ヶ月後」に設定していたので、ドライブ開始「六ヶ月前」のグローバルフリーズと微妙にかぶらないように調整してあるんですよね。 以前も書きましたが、正直、鎧武の後半は好きじゃなかったんですよね。大河的にするのはいいんだけど、種明かしと解決……というよりは、ただ、だらだらと状況に流されたまま、惰性の結末を見せられた感じがして。その分、最終回は頑張っていたと思うので、嫌いじゃなかったりするわけですが、今回の「進撃のラストステージ」はその最終回の延長って感じです。 良かったですよ。メガヘクスっていう、まあ、ちょっと禁じ手みたいな感じですけど、紘汰を地球に連れ戻す手段としては。貴虎とプロフェッサーの直接対決だとか、「それ最終回までにやっておかなきゃいけないことだろ」って部分を、今回、全部やってくれた気がします。今作は、最終回を担当した方の脚本なので、クローザー役だったのかな? ナックルやブラーボ、グリドンが出ないのは残念でしたけどね(特にナックル)。 んでもって、ドライブの方は「ルパンからの挑戦状」。アルティメットルパン役の綾部さんの演技はちょっとクドくて安定性がなく、あまり好きになれませんでしたが、ルパンという役には合ってたのかも知れません。ベルトさんが、フィリップやアンク、賢吾らに相当するポジションだってのはわかりますが、「ベルトさーん!」のシーンではちょっと笑っちゃいました。 警察の上司として某プロデューサが登場した時も思わず笑ってしまいましたが、家族連れのお客さんが多い中、笑ってるのは僕だけだった気がします(いや、うちも家族連れなんですけどねw)。 この作品でベルトさんの正体とか、ロイミュードの謎とか、その辺にも一歩近づいた感はありますが、それより特典DVDの「カウントダウンtoグローバルフリーズ」やてれびくん付録の「超怪盗の謎を追え!」とも連動してる部分が良かったですね。こういう試みはもっとやって欲しいです。 で、ドライブと鎧武が共闘するMOVIE大戦パートに繋がるわけですが、片や神様、片や強化スーツをまとった一般人……ということで、どうなるんだろう? とちょっと思ったわけですが、よくよく考えてみたら、それってソーとアイアンマン程度の差ですよね。じゃあ無問題。 っていうか、ライダー世界で「神様」と言ったら、人間・氷川誠に倒される存在のことですものね。 MOVIE大戦のお約束だった平成二期ライダー勢揃い的な流れがないのは残念ですが、互いの装備を交換したような劇場版オリジナルフォームとコメディ的な展開は笑えました。 ハート、ブレン、チェイサーが共闘するのも良かったですね。 MOVIE大戦は、最初の2010とCOREはそんなに好きじゃないんですが、MEGAMAX以降、すごく面白くて、毎年年末が楽しみだったりするんですよね。本家夏映画よりも楽しみかも、と思う自分がいます。 『仮面ライダー×仮面ライダードライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』公式サイト 続いては『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャーTHE MOVIE』。1月28日に息子らと鑑賞。 前年の『キョウリュウジャーVSゴーバスターズ』では歴代の恐竜戦隊が勢揃いしてたので、今回は、歴代の列車メカでも勢揃いするかな(あるいは電王ともう一度コラボするかな)、とか思ってたんですが、特にそんなことはなく。小林脚本のトッキュウジャーのノリの中に、キョウリュウジャーが間借りする、という体の作品になってました。 前年のは恐竜戦隊が大集合したとは言っても、全編を通じてプロ的な活躍をするゴーバスターズがカッコよくて燃えたのですが、今回は、なんとなくトッキュウジャーが割を食ってしまった印象があるんですよね。ちょっと弱く見えたし。 ただ、今回は子供に戻ってしまい、子供の姿のまま変身するというシーンがあるのですが、これはオススメ。トッキュウジャーの子役たちは、他の戦隊の子供時代役とは違って、一年間シリーズに寄り添って出演してくれた子たちなので、変身シーンは感慨もひとしお。ただ、小柄なアクターさんが変身後を演じるのはいいのですが、マスクの大きさが普段と同じなので、ちょっとちぐはぐな感じを受けました。 個人的に好きだったのは、明くんの抱っこ紐姿。抱っこ紐で普段行動することもあるので、妙にツボでした。あとは、ネロ男爵の名乗りも最高でしたね。MOVIE大戦のロイミュードとの共闘といい、こういう目的のための一時休戦ってのは燃えるものです。 内容的には、デーボスの生みの親である創造主デビウスが、地球に攻めてくる感じでしたが(冒頭、ちょっとだけまいんちゃんことレディも登場)、ちょっとMOVIE大戦のメガヘクスと立場的にかぶりますよね。色合いも似てるし。地球侵攻の時期がかち合っちゃってたら困っただろうなw ただ、デーボスにはブレイブ、シャドーにはイマジネーションが有効ってことで、互いに互いの力を付加し合ってたのに、ゲストのニンニンジャーはいともたやすく敵を倒すので、この辺の演出不一致は気になりましたね。ただ、お披露目を中盤に持ってきたのは良かったと思います。前年はラストのラストでトッキュウジャーのお披露目だったので、蛇足感を強く感じたせいもあります(あれは「次の停車駅は」ネタをやりたかったせいだとは思うんですが)。 アカニンジャー役の西川君の発声に不安を感じたのもいい思い出。すでに番組は始まってますが、現状、特に改善されることなく話が進んでます。ボイトレ、頑張ってください! キョウリュウレッドカーニバルとハイパートッキュウ1号の共闘が一瞬しかなかったり、同じ色の戦士ごとに別行動をとって密接に行動するようなシーンがなかったり(ノッさんとトカッチの掛け合いを楽しみにしてたんだけど)、エンディングダンスがなかったりと、ちょっと盛り上がりに欠ける感はありましたが、全体的には上手くまとまってたように思います。三条さんバージョンの熱い「トッキュウVSキョウリュウ」も見てみたかった気もしますけどね。 ちなみに、フックブックローでも活躍しているキャイ〜ンの天野くんこと天野ひろゆき氏が紅蓮神官サラマズの声を当てていたんですが、上手すぎて逆に気づかず。事前情報として知ってたはずなのに、鑑賞中はすっかり忘れてましたw 『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャーTHE MOVIE』公式サイト そんなわけで、駆け足ですが、ふたつのクロスオーヴァの感想を簡単に書き連ねてみました。 例年は、春の大戦映画にも、前ライダー・前戦隊が出るのが恒例でしたが、今回は出番なしってことで(一応、鎧武はNPC扱いで登場しますが)、鎧武もトッキュウジャーもこれで一段落。 まあ、まだ鎧武には「鎧武外伝」、トッキュウジャーには「帰ってきたトッキュウジャー」といったVシネマが待ってます(トッキュウジャーはさらに翌年の「ニンニンジャーVSトッキュウジャー」もあります)が、とりあえずは終わった感がありますよね。 皆さん、お疲れ様でした。 最近、『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』『スパイダーバース』等の影響か、こういった共闘ものを、チームアップ、クロスオーヴァイベントのようなアメコミ的な文脈で見るようになってきた気もします。 ともあれ、今後もMOVIE大戦、戦隊VSシリーズには期待してます。 もうひとつのクロスオーヴァである春の大戦映画は、今年もちょっとアレだったので、感想を書くかどうかはわかりませんが、今後も息子と一緒にヒーロー映画ライフを楽しめたらいいな、と思ってます。