認証保育園と助成金

正直言って、今、お金がないw

いきなり出オチ的な文章で始まって申し訳ないが、今まで生きてきた中で多分、一番お金がないんじゃないだろうか?

んなこと言ったら、大きなマイナスを抱えてる起業者の友人・知人に半ギレ顔で「あ゛?」と言われそうだし、よくよく考えてみれば、20代の頃、所属していた開発会社が傾いて未払いを喰らってた頃の方がなかった気もする(まあ、あの頃は独り身だったので、身ひとつあれば何とかなったわけだが)が、ともかく、今、お金がないのだ。

……と言っても、別にブログで貧乏自慢をするつもりもないし、貧窮問答歌を歌おうってつもりでもない。

ちょっと東京都の保育園関連で感じた問題点を、僕なりの視点でまとめてみようと思った次第だ。

後に続く誰かの参考になれば、程度のつもりで書いている。

知ってる人は知っているかもしれないが、今、僕には子供が二人いて、それぞれを別々の認証保育園(正確には「認証保育所」が正しいが)に通わせながら仕事をしている。

認証保育園っていうのは、今、待機児童で問題になっている「認可保育園」ではない(これも正確には「認可保育所」が正しい)。認可と認証でややこしいが、両者は別物なのだ。

そういう意味では、うちの子らは「待機児童」だ。認証保育園に通わせながら、認可保育園の空きが出るのを待っている。

「んじゃ、その認証保育園って何よ?」って話になる。

これは都内の独自制度で、「認可外保育施設」のうち、ある一定の基準を満たした保育園をそう呼ぶのだ。

認可保育に申請しつつ、空き待ちの状態で、認証保育に通わせていれば、「認可保育園の保育料と同程度の出費になるように」区から助成金が出る(助成額は自治体によって違う)。

これを「認証保育所保育料助成制度」というわけ。

実際、認可保育園の月々の保育料は安い。

まあ、公立の幼稚園などに比べたら全然高いのだが、まあ一応、安いということにしておく。

保育料は、親の収入によって上下するシステム(僕の住んでいる区では、今年度までが所得税を基準にし、来年度からは住民税を基準にする予定)なので、一概には言えないが、「第一子:4万円、第二子:1万5千円、第三子以降:無料」みたいな感じで、通わせる子供の人数により値段も安くなっていく。

が、認証保育園は、所詮は認可外なので高いし、人数によって割引になるわけではない。

認可外の保育料はピンキリだが、まあ5万円から10万円くらい。もっと高いところもあるらしいけれど、周辺の施設を調べた限りでは相場的には6万円前後が多いようだ。

今、うちはどのくらい月々の保育料がかかっているのかというと、端数は省略するが13万ちょいだ。

上の子の園と下の子の園では保育料は違うのだが、相場が6万円前後で二人だから、まあ合計13万円ちょっとというのは、妥当な金額の範囲だと言える。が、13万以上だよ、13万以上w

前に住んでた2DKの家賃より高い……。

そこであてにするのが先程話題に出した「助成金」だ。

「高くてもいいでしょ、助成金出るんだし」と言われそうだが、今回はこの助成金の話がメインだ。

実際、助成金を受け取る以上、行政に感謝をしなければならない(他の区はもっと助成金が低いところもあるようだし)。が、感謝イコール問題点や不満点をあげてはいけない、という意味ではない。

そうなのだ。この制度にも問題点はある。

それは、「助成金は数ヶ月後にまとめて支払われる」ということだ。

他の区の支払い方法は調べていないのでわからないが、うちの区では、10月、11月、12月の三ヶ月分の助成金は2月中に支払われる予定になっている。

仮に認可保育園に通わせていた場合の二人分の保育料が計5万円だったとすると、三ヶ月分の保育料は計15万円で済む。

しかし、認証保育園に通わせていると40万円になってしまう、というわけだ。

しかも、助成金が出る2月までに、1月分(場合によっては2月分も)の保育料の支払い時期がやってくるので、50万以上の出費のあと、三ヶ月分の助成金が出る、ということになってしまう。

つまり、どういうことかというと、認証保育に通わせながら、認可保育の空きを待っている待機状態というのは、それなりの「開店資金」あるいは「回転資金」が必要だということになる。

え? お金がないから共働きしたいんだよ?

お金がないから、保育園に通わせたいのに、お金が必要なの?

うちは共働きで何とかやってきた家庭で、子供ができた際、嫁さんは「子供が一歳になるまでは育児に専念する」という方針で蓄えを削りながらやってきた。

蓄えも尽きてきたので、昨年の春、3月下旬に下の子が一歳になるのを機に、嫁さんも再び働き始めたというわけだが、ふたりが働くなら保育園が必要になるわけで。

しかし、認可の申請には落ち(求職中でも申請自体は通るが、受かるほど現在の状況は甘くないわけで)、待機児童となりながらも認証保育を探し(今は認証保育園ですら空き待ちなところが多い)、ようやく上の子を8月に、下の子を9月に(別々の保育園ではあるけれど)通わせられるようになった。

ちょうど業界的な不況もあり収入も落ちてきたので、前より家賃が安い場所に引っ越し(本当は広さを保ったまま、もっと安い場所に行きたかったので、都から出るつもりでいたのだが、娘が入院・手術をした関係で、大学病院のそばを離れられなくて、同一区内で多少、安めの物件に移動した)をしたわけだが、もちろん、引っ越しにはそれなりの資金がかかる。残った蓄えは、ほぼなくなった状態だったわけでw

子供が一人であれば、その差は数万程度なので、あまり気にする必要はないのかもしれない。

しかし、二人、三人と子供が増えるたびに、その差は広がってしまう。

だから、正直、認証保育園に通わせるのは、かなりの勇気がいる選択だった。

だが、認可保育園の審査基準を考えると「すでに認証保育園に通わせている」方がポイントが高いということもあり、地元の両親に頭を下げ、なんとか資金を調達し、嫁さんのパート代はほぼ保育料に消え、カツカツに切り詰めた生活(全体的に年収が下がったものの、国保は一昨年の収入を基準にしているので大変、というのもあるがw)をしている、というわけだ。

元々、子育て中だったから飲み会のお誘いなどは基本的には断ってたけど、演劇仲間から「公演を観に来ませんか?」なんてお誘いを受けても、行ける余裕もないw

あとで助成金として帰ってくる、とはいえ、この生活がいつまで続くのかと不安になってしまう。

正直、現在、核家族で祖父母が近所にいない状況の中、子育てを続ける、というのは、かなりリスクを伴う行為なのだ。

ちなみに、お役所の窓口に相談してみても「両親がだめでも祖父母に頼めば保育料を支払える家庭」は「支払える家庭」という認識になってしまうので(きっと、もっと大変な家庭を日頃から目の当たりにされているのだろうし)、制度以上のことは相談する意味があまりなかったりするのも現実だ。

そんなわけで、認可保育園の抱える待機児童問題のある意味「対症療法」のひとつとして存在する「認証保育園」と助成金だけれど、その「認証保育園」に通わせること自体が、それなりのリスクというか「覚悟」をもってあたらなければならないということだけは、伝えておきたい次第だ。

うちの家庭も来年度の認可保育の申請が受からなければ、ちょっと生活スタイルを根本から変える必要があるのかも知れない。

都内で認可保育の空き待ちをしている待機児童を抱えた同志には、来年度、その申請が通ることを願って「グッドラック!」とだけ伝えておきます。

頑張りましょうw