もうすぐ『ウルトラマンX』の劇場版ですな

ちょっと前の話になってしまうが、2015年12月22日、割と幸せな気分のまま『ウルトラマンX』の放映が終わった。

何故、今更こんなことを書くのかと言えば、劇場版『ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン』の封切りが迫っており、前売り親子ペアチケットを購入したからだ(年末年始がバタバタしすぎてて死にそうだった、というのもある)。

前売を買わなくても、元々安い料金なのだが、ペアチケットになるとさらにお得になる、というのが金欠の今はただ、嬉しいw

『新ウルトラマン列伝』というアーカイヴ番組の中の番組内番組というカタチでありながらも、ウルトラマンの完全新作がTV放映で見られる、ということで円谷50周年を掲げて鳴り物入りで始まった『ウルトラマンギンガ』は、低予算はともかく短期間の制作だということが垣間見えてしまって、応援してはいたものの(『宇宙ターザン』的なマインドで)、いろいろと残念な気分にさせられたものだった。

翌年にそのリベンジ的に始まった(と勝手に解釈している)『ウルトラマンギンガS』という続編も、映像的には豪華になり内容も面白かったものの、やはり『ウルトラマンギンガ』という世界観に無理やり肉付けした感は強く、チブル星人と小規模防衛隊の小競り合いという印象がぬぐえなかった(むしろ、息抜き回のような話の方が、個人的に評価が高かったりね)。

そういった意味では、新列伝三年目にして、仕切り直して始まった『ウルトラマンX』は、世界観も考え抜かれたものだったし、始まりから最後まで退屈することなく、視聴のモチベーションも高いまま、息子と一緒に最終回を観ることができた。

最終回一歩手前の虚空怪獣グリーザ登場回では、ラスボスの絶望的な演出の仕方に、子供と一緒に震えあがったものだ。

また、このシリーズは、平成ウルトラマンのゲスト出演が多かった。『大怪獣バトル』以降、アメコミライクに多元宇宙を同時展開させているウルトラシリーズだからこその展開だ。もちろん、それぞれのゲスト出演にも燃えたが(特にネクサスはね)、そういった「助力」がなくても、十分に面白いシリーズだったと思う。

7月から12月までの2クールという期間で展開しながらも、1クール前後の内容を分割して放映していた『ギンガ』や『ギンガS』に比べ、間に総集編を二話挟んだ程度(その総集編は、『ウルトラマンX』の話数にはカウントされていない)で、2クール完走しきったことも評価が高かった。

2016年のウルトラシリーズおよび『ウルトラマン』50周年に、通年4クールの新ウルトラマンが始まったとしても何の心配もない、そう思わせてくれる好シリーズだったように思う。このまま7月からも新列伝内で始まるのか、それとも50周年ということでTBS系列での放送企画しているのかはわからないが、新しいウルトラマンの登場に、期待を膨らませたい。

っと、その前に劇場版ですね。こちらも期待してます。

そういえば──

と『ウルトラマンX』発表当時に想いを馳せてみる。

今となっては見慣れたエックスの姿も、当時はかなり斬新に感じられたものだ。ウルトラマンビクトリーの時点でかなり冒険したデザインだと思ったが、エックスを見た後だと、ビクトリーも「既存のウルトラマンのイメージの枠内」だったのだとよくわかった。

大怪獣バトルで怪獣と共に戦い、ギンガで怪獣に変身し、ギンガSで怪獣の力を借りる、というステップを踏んで、ようやく怪獣の力を鎧として身にまとう、というところまで到達することができたのも良かった。

アンドロメロスのコスモテクターや、テクターギアゼロ、ウルティメイトゼロという前例があったものの、ウルトラマンに鎧を着せる、という発想は、旧来のファンから突き上げを喰らう可能性もあったわけで、玩具先行の発想だったかも知れないが、これは英断だったと個人的には思っている。

ラストバトルの大逆転はある意味、ご都合主義かも知れないが、番組を観てない人にラスボスの絶望的な状況を教えた後、「で、どうやってその化け物を倒せたのさ?」と問われても「ゴモラエレキングベムスターゼットンの力を身に纏って勝利した」と答えておけば、「ああ」と納得してくれそうな感じはあるものねw

ただ、残念なのはエックスの鎧を着脱して遊ぶような可動フィギュアが発売されていないこと。てっきり、ウルトラチェンジシリーズで出るかと踏んでいたのだが、現時点では発売されていない(食玩ではサイバーゴモラ、ウルティメイトゼロの鎧をつけられるものが出たんですけどね)。

何らかのタイミングで発売してくれたら、喜ぶ人が大勢いそうである(個人的には、ウルトラマンエックスのウルトラエッグを発売してほしいがががっ!)。

登場人物も個性豊かだった。

隊員、隊長の大地、アスナ、ハヤト、タケル、正太郎という名前は、歴代ウルトラマンのダイゴ、アスカ、ハヤタ、猛、光太郎のもじりかとも思ったのだが、他の隊員の説明がつかないので、これはさすがに気のせいというか、偶然だろう。

中でも驚いたのは、Xioの隊長・神木正太郎役に神尾佑氏を起用したことだった。

神尾佑氏といえば、『仮面ライダーオーズ』の最終的な敵となった恐竜グリードと化した真木清人博士役の怪演が記憶に新しい。

神木隊長と真木博士とは180度違った人物で、観てる方としても全然違う印象だったので、ひょっとしたら、気づかずに見ていた人も多いのかもしれない。

そういえば、『ウルトラマンギンガS』でUPGの陣野義昭隊長を演じていた大浦龍宇一氏は、映画『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』でシャドームーンこと月影ノブヒコを演じていた。

ウルトラマンメビウス』でGUYSの隊長サコミズ・シンゴを演じていた故・田中実氏は、Vシネマ仮面ライダーアクセル』で、コマンダードーパントこと相模広志刑事を演じていた。

ウルトラマンネクサス』では、ナイトレイダーの隊長は違うものの、TLTの責任者的な存在である松永要一郎管理官を演じた堀内正美氏は、後に『仮面ライダードライブ』でフリーズロイミュードロイミュード001)こと真影壮一国家防衛局長官を演じている。

そういうことを言い出したら、『ウルトラマンレオ』でMACの隊長に就任していたウルトラセブンことモロボシ・ダンを演じていた森次晃嗣氏が『仮面ライダー剣』で演じたBOARD理事長の天王路博史は、ケルベロスIIという人造アンデッドに変身しているし、さらに言ってしまえばアニメ『ザ・ウルトラマン』の科学警備隊二代目キャップゴンドウ大助を演じた柴田秀勝氏は、『仮面ライダーストロンガー』のジェネラルシャドウや、『仮面ライダーBLACK RX』のジャーク将軍の声を演じている。

初代『ウルトラマン』隊長であるムラマツキャップを演じた小林昭二氏が、初期の『仮面ライダー』シリーズを牽引した立花藤兵衛役でもあったことの反動かどうかは知らないし、別の作品ではヒーローだった隊長(レッドファルコンや8マンなど)もいるが、何故か、多くのシリーズの防衛隊の歴代隊長(や隊長格の幹部)は、『仮面ライダー』シリーズでは怪人であることが多い。しかも、ただの怪人ではなく、どれも幹部クラスの強者ぞろいである。

ウルトラマンX』の話題から『仮面ライダー』に話題がシフトしてしまったような気もするが、東映さんが春の大戦映画などで、恐竜グリード、シャドームーン、コマンダードーパント、フリーズ・ロイミュードケルベロスII、ジェネラルシャドウといった防衛隊の隊長たちが演じた強力な幹部怪人たちが徒党を組んで襲ってきたら……と考えると、なんだか震えあがってしまったりするのである。

……っと、話がそれすぎましたねw

映画『ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン』は、3月12日全国ロードショー。

エックスと大地の雄姿に、今から期待しています。

『ウルトラマンX』公式サイト

劇場版『ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン』公式サイト

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