2002-12-30から1日間の記事一覧

有明月

僕は、いたって事務的な口調で対象者に死を告げた。 場所は、某中堅企業の一室だった。 壮年の男が、眉をしかめ僕を睨んでいた。年のころは四十くらいか。働き盛りといったところだ。 幅広の肩に四角い顔。鋭い目つき。頭の良さそうな男だった。 (『アズラ…