東郷ひろみの勇者革命万歳

──「ふふふふ……(ぽわ〜ん)」
ひろみ「どうしたんです?」
──「ああ、『スパイダーマン』の映画をね、観てきたんだ」
ひろみ「どうでした?」
──「良かったよ。ようやく技術がスパイダーマンを表現できるところまで来たんだって感じたね」
ひろみ「いいなぁ〜。私もヒーローものの映画、観たいなぁ……」
──「ひろみちゃんは、観にいかないの?」
ひろみ「えぇ!? だ、だって、映画でしょ?」
──「うん、映画」
ひろみ「映画って、たしか……200円以上しますよね?」
──「なめてんのか?」
ひろみ「はう!? そ、そうじゃないですけど……。私、映画館って行ったことないので……」
──「そうだな……、学生料金だったら1500円くらいじゃない?」
ひろみ「せ、せんご……(ぱくぱく)」
──「お、落ち着いて。落ち着いて」
ひろみ「(ぜえぜえ)」
──「落ち着いた?」
ひろみ「は、はい。でも、そ、そんなに高いんじゃ、誰も観られないじゃないですか?」
──「誰でも観られると思うけど……」
ひろみ「みなさん、いろいろとやりくりしてるんですねぇ……」
──「オススメだからさ、行ってきなよ」
ひろみ「わ、私は大丈夫です。スパイダーマンのすべてを知ってますから、映画なんていかなくても平気です!」
──「あやしいもんだ」
ひろみ「ホントですよ。私は古今東西すべてのヒーロー・ヒロインのデータを丸暗記してるんです!」
──「マジで?」
ひろみ「そりゃもう大マジですよ。メガロマンからシュシュトリアンまで、何でも来いです」
──「微妙に狭いな……」
ひろみ「とにかく大丈夫なんです」
──「じゃあ、説明してみろよ」
ひろみ「簡単ですよ。スパイダーマンはですね、スパイダー星の……」
──「金やるから、映画観て来〜い!!」
ひろみ「は、はい〜!!」

(しばらくして)

ひろみ「ふふふふ……(ぽわ〜ん)」
──「お、その様子じゃ観にいってきたみたいだね」
ひろみ「はい〜。ありがとうございます〜」
──「良かったろ?」
ひろみ「はい! あ、でも、ひとつだけ疑問に思ったことがあるんですけど……」
──「何?」
ひろみ「何故、彼はピンチになってもレオパルドンを使わなかったんでしょうか?」
──「…………」