晦日月

冬美さんの死から、約一ヶ月が過ぎた。
祝日の秋空は、僕の心と反比例して嫌味なくらい高く広く晴れ渡っていた。
昼下がりの公園。
ここは、思い出の場所でもある。
まだ、僕にはちょっとつらい場所だった。
冬美さんの言葉、ぬくもり、唇の感触、あの日見たどうでもいい景色、形になりきらないさまざまな思念が僕の心の中に湧き上がる。
僕にできることといえば、彼女がいたという事実を忘れないこと。ただ、それだけだ。
(『アズラエル』より)

逆転裁判2」をプレイしてたら呼び鈴が。
新聞の拡張員かと思って扉を開けずに対応しようとしたら刑事さんでした。
もちろん刑事さんだから二人組です。

……殺人事件の聞き込みでした。
吃驚です。一ヶ月ほど前に近所であったらしいのです。
知りませんでした。

今は首から下げた縦開きの警察手帳(というか身分証)を開いて対応するんですな。
聞き込み以外に、名前、電話番号、血液型、足のサイズを聞かれました。
勉強になりました。

刑事さんたちの去ったすぐあとに、また呼び鈴が。
今度は何だと思って応対してみたらマルハチの人でした。
ふとんクリニック。間に合ってます。