東郷ひろみの勇者革命万歳

──「面白かった」
ひろみ「面白かったですね」
──「意外だった」
ひろみ「意外ですか?」
──「うん。前作も面白くなかったとは言わないけど、複雑なX-MENのエッセンスをまとめきれてない感じだったからね。今回は、1エピソードとして割り切ってたし」
ひろみ「ああ、それは私も感じました。前のは最初のエピソードというより、X-MENというタイトルのすべてを背負わなきゃいけなかった感が強かったんでしょうかね」
──「映画でオリジナルの世界観を作るのはOKなんだけどね。マグニートーの話なのか、ローグの話なのか、それともウルヴァリンの話なのか、はっきりしなかったもんな」
ひろみ「今回ははっきりしてましたか?」
──「うんにゃ」
ひろみ「は?」
──「ハッキリしなくてもいいようなストーリー構成だったってことだよ。わくわくしただろ?」
ひろみ「ドキドキしました」
──「ロマンスも多かったもんな」
ひろみ「何か……、皆が皆を好きなんですね」
──「そうだね。僕は君を愛している。君も僕を愛している。だけど、僕は君以外の人を愛している。君も僕以外の人を愛している。限りなく現実に近くてドキドキしたよ」
ひろみ「そういうもんですかね?」
──「そういうものです」
ひろみ「うわ。断言したよ、この人」
──「生きてるってこと自体がエロいじゃない。人間ってさ」
ひろみ「はあ……。ムズかしいです」
──「まあ、わかんなくてもいいよ。人に押し付けるほどの価値観じゃないし」
ひろみ「じゃあ、話題を変えますね。えーと、そもそもX-MENって何なんです?」
──「脇役」
ひろみ「え、だって、タイトル……」
──「引き立て役。活躍なんてしてなかったろ?」
ひろみ「そうですけど……」
──「悪役の方が一枚も二枚も上手なんだよ。甘いこといってるのはプロフェッサーだけでさ、多分、正しいのはストライカーやマグニートーなんだ」
ひろみ「そ、そうですかね?」
──「そう」
ひろみ「今日は断言が多いですねぇ」
──「話がかみ合わないようにしてるからね」
ひろみ「酷いなぁ。じゃあ、最後に質問していいですか?」
──「何だよ」
ひろみ「えーとですね、何でピカード艦長エンタープライズに乗らないんですか?」
──「あれはピカード艦長じゃない!」
ひろみ「じゃあ、ガン……」
──「ガンダルフもいない!」
ひろみ「はう!!」