φは壊れたね

犀川&萌絵シリーズ、瀬在丸紅子シリーズ、四季に続いてようやく森博嗣の新シリーズが始まりました。

『四季』同様二段組ではないので、ボリューム的にはライトなシリーズになりそうです。

今回もメインの舞台は那古野。主人公格ではないものの、国枝桃子や西之園萌絵といった面々は出てきます。それによれば、萌絵はD2ということですから、『捩れ屋敷の利鈍』⇒『四季 秋』⇒『φは壊れたね』という時系列になるのでしょう。

明記されてませんがおそらく、2001年が舞台。最近は何をするにも年代が明確(書く方にとって)な方が良いのかもしれません。80年代の頃はそうでもなかったのですが、PCにしろ携帯電話にしろ、1年違うだけで随分と性能が違いますからねぇ。

で、本編はといえば国枝が助教授として赴任しているC大の学生たちがメインの物語となります。

山吹早月、海月及介、それから『幻惑の死と使途』に登場した加部谷恵美が今のところ、メイン登場人物となる……のかな?

シリーズが進んでみないことには不明ですが。

ただ、事件を解き明かす役(つまりは探偵役)は海月ってことで確定している模様。ただし、海月については山吹の視点や加部谷の視点から語られるのみで海月の視点からの描写はないので、まだどのような人物かは判別不能です。予断は禁物ってことで。

前述しましたがボリュームが極めてライトなので、何かの休憩の折に読む、リラックスのために読む、などというシチュエーションが最適かも。

すんなり読めて、すんなり読み終わる。読後感も悪くない。

もちろんある殺人事件に関わるミステリィなのですが、謎解きが中心で、事件の当事者たちの描写が殆どない、というのもスッキリした読後感につながるのかもしれないですね。

萌絵たちが登場するものの、前シリーズと因果関係はそんなにないシリーズになりそうですので、ここから読み始めても構わないかもしれません。

ちなみに次回作のタイトルは『θは遊んでくれたよ』。

ギリシャ文字は小文字ですからね。

『φは壊れたね』講談社

"PATH CONNECTED φ BROKE"

森博嗣

ISBN4-06-182392-2