ハリー・ポッターと炎のゴブレット
今回は、ラドクリフの胸板とルパート・グリントの上腕の筋肉に驚く回だ。
二人とも逞しくなって……(しみじみ)。
エマ・ワトソンも負けじと成長して欲しいものだ。
……などと初っ端から脱線してみたり。
今回のハリー・ポッターは、初の英国人監督であるマイク・ニューウェルがメガホンを取ったということが話題……らしい。言われてみればなんとなく、ゴシックな雰囲気があったかも?(偏見)
前作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で、アルフォンソ・キュアロンが、タイトでテンポの良い作品創りをしていたのと、ホグワーツの生徒たちのいかにも「ティーンエイジャ」と言った感じのファッションが特徴的だったのが記憶に新しいが、それとも違うハリーを提示できていたように思う。
今回のハリー・ポッターは、全体的にじっくりたっぷり内容をプレゼンテーションしている感じで、三大魔法学校対抗試合を舞台としながらも、大会自体の盛り上がりを主軸に据えない構成にしていた感じだった。
ホグワーツでの生活も4年目になりハリー、ハーマイオニー、ロンといった面々も成長し、心の機微のようなものが見えてくるようになっているのが、微笑ましい。作中の設定年齢14歳、役者も15〜17歳。そんな時期である。
ダンスに誘うか誘わないか、などという青さをハリー・ポッターで見られたというのは、なんとなく感慨深いものを感じる。
っていうか、心が痒くなる。あはは。
そしてクライマックス。
ネタバレになるが、例のあれが復活し、その際に登場人物の一人がハリーの目の前でいともあっけなく命を落とす。残虐になぶり殺されるわけでも、戦いの末死ぬわけでもなく、一瞬の後に死んでいる。
正直、痛かった。いや〜、痛いね。心が。
登場人物が死ぬなんて映画では珍しくないことだけれど、ハリーの目の前で人があっけなく殺される、ということがね、とても痛かった。
危機を切り抜けて帰還した後、遺体にすがりついて泣きじゃくるハリーを見ていたら泣けてきた。
死んだから哀しいのではなく、14歳の少年の目の前で人が殺された、その間、彼は無力で何をすることもできなかった、というその事象自体が痛く、哀しかった。そういうものだろう。
誰か、クリフトさんに「ザラキをつかうな」の命令を!
残念なのは、回を追うごとに小物になっていくドラコ・マルフォイ君。
ポジション的にはおいしいはずなのに、単にクラスのやなやつ止まりになってしまっているのは、原作者の趣味だろうか?
あと中国種のドラゴンが名前のみの登場だったのが残念だったな。
ともかく、続きが気になる。
続編がいつ公開されるのか、役者がいつまで続投するつもりなのかはわからないが、はやく続きが見たいね。
のんびり待つとしよう。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』("Harry Potter AND THE GOBLET OF FIRE" 2005)
監督:マイク・ニューウェル
プロデューサ:デイビッド・ヘイマン
音楽:パトリック・ドイル
出演:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン/スタニスラフ・アイエネフスキー/ロバート・パティンソン/クレマンス・ポエジー/ブレンダン・グリーソン/マイケル・ガンボン/マギー・スミス/ロビー・コルトレーン/デイビッド・ブラッドリー/ロバート・ハーディー/マーク・ウィリアムズ/ミランダ・リチャードソン/ロジャー・ロイド・パック/アラン・リックマン/ワーウィック・デイビス/ジェイソン・アイザックス/ティモシー・スポール/フランシス・デ・ラ・トゥーア/ペジャ・ビヤラク/デイビッド・テナント/ケイティ・ラング/トム・フェルトン/オリバー・フェルプス/ジェイムズ・フェルプス/シェファーリ・チョウドリー/アフシャン・アザド/ジョシュ・ハードマン/ジェミー・ウェイレット/ボニー・ライト/マシュー・ルイス/デボン・マーレイ/アルフレッド・イノック/レイフ・ファインズ/ゲイリー・オールドマン
原作:J.K.ローリング