夜叉狩斬十郎

昨日、今日と
劇団0BEAMSの公演『夜叉狩斬十郎〜華厳菩薩峠の章〜』を観てまいりました。
チケットノルマに貢献するために、昨日、今日とそれぞれ別の友人を誘って。
昨日は中学時代の友人、
今日は小学校の教諭をやってる友人、ってな具合です。

http://jp.youtube.com/watch?v=hUaFRognn6Y
手の早いアクションが売りの0BEAMSではありますが、
これまでの公演を見るに、脚本と演出に少々難があったわけです。
具体的には、ネーミングや設定が変な方向に狙いすぎていることと、
演出面では、斬る、突き刺すなど「とどめ」の演出を多用しすぎていたので、
どの傷が「致命傷」なのか、いまいちわかりづらく、
復活⇒助太刀、という演出を何度もやりすぎるため、どの戦いがクライマックスなのか、
いまいち伝わりづらかった……という点があげられます。

そういう意味では、
今回はその二点においてクリアできている公演だったと思います。

今回の公演は、今までの少年まんがチックなものから一転、時代劇。
わかりやすく言うなら「いのうえ歌舞伎」風、アクション剣劇

織豊末期、人の世の闇にまぎれるように存在する「夜叉」という存在を巡って
旅を続ける「夜叉狩斬十郎」こと橘斬十郎一行の長い物語……があるという前提があり、
その長いシリーズの途中に挿入される「1エピソード」的なお話でした。

シリーズの主人公は斬十郎一行ではあるが、
今回のエピソードの主役は、鍛冶屋の親子……みたいな。
そういえば野獣郎もそんな感じでしたね。

これ以前にも物語がある風にしては、今回のエピソードで
判明したことが多すぎる気もしましたが。そこは仕方ないでしょう。

キャラの配置的にも、全体構成的にも悪くなかったかな。
今回は、「夜叉」という異形の存在が中軸となっていたため、
何度突き刺しても致命傷になってるわけじゃない……的な逃げ道があったので、
アクションも首を傾げることなく楽しめました。

アクション専門ではなかったヲーキ君やゆかの動きが見られるものに
なっていたことに年月を感じます。「紅大江戸高校X」のときからの成長を感じます。

当初、ゆかの演じていた蘭座という役は男性の設定だったと聞いていたのですが、
女性になったことで、いろいろ台詞の意味合いが変わってきて、
その裏を想像するのが楽しかったかな。ってか蘭座、おいしい役よね。
彼女にスポットをあてた短編とかなら、書きたいかな。

あとはナナヱの演じた浬(カイリ)が好きかな。
まあ、彼女の物語は斬十郎の本筋ともまた別で、昨年の三十路企画でやった
抜け忍物のアクション芝居が元にあるので、鳴海一族壊滅事件の顛末は
まあ気長に待つとします。

残念だったのは、真言、念仏の類が滅茶苦茶だったこと。
滅茶苦茶なら滅茶苦茶なりにそれっぽく作りこめばよかったのにな、
と思いました。滅茶苦茶である、というところに意図があったとしても。

まあ、なんだかんだで楽しめました。
同行した連れも満足だったようです。

というわけで出演者、関係者の皆様、
お疲れ様でした。バラしと打ち上げ、頑張って下さい。