お世話チョコ

それはほんの数分の出来事だった。

ちょっと缶コーヒーを買いに出るために、数分間、
職場の机をあけただけだった。
戻ってくると、机の上に何かが置かれていた。
「チョコレート?」
そう、今日はバレンタインデーなのだ。
しかし、書き置きの類があるわけでもなく、
隣りの席の人もちょうどはずしている。
誰が置いたのか、さっぱりわからない。
……ちょっとした事件ってヤツだ。

目をはなしたほんの数分間のうちに事件は起きた。
とはいっても、こんなことをする人間は限られている。

容疑者の一人を尋問する。
「机の上にチョコ置いた?」
「ちがいますよ。はい、どうぞ」
容疑者はシロだった。
しかも、ありがたいことに、チョコまでもらってしまった。
なんかいろいろ、すんません。

というわけで、事件は振り出しに戻ったのだった。



……ってなわけで、
バレンタインデーってやつでした。
最近は職場などでもらうチョコは「義理」とは言わず
「お世話チョコ」みたいに言うみたいですね。
たしかに、その方がしっくりきます。

ん〜。何ていうか、義理だろうと、イベント事だろうと、
お土産だろうと、御祝だろうと、贈りものってのはいいものですね。
誕生日プレゼントとか、イベントごとなどで
人にプレゼントを買うときってのが一番楽しいです。

ちなみに、
犯人(?)はその後、隣りの席の人が戻ってきて
目撃証言がとれたためにすぐに割り出すことができました。
ありがとうございました。