鬼ヶ島の戦艦

どうも。

久々にユウスケがクウガに変身したと思ったらギャグ要員だったことに激しく落ち込んで立ち直れないたけうちです。

日常的に変身してたら、あれでも良かったんですけどね(苦笑

さてさて、劇場版『超・仮面ライダー電王&ディケイド〜鬼ヶ島の戦艦〜』。『電王&キバ』同様、電王中心の映画だということは承知の上での鑑賞です。

この映画を観るにあたって、予習として『俺、誕生』『クライマックス刑事』『さらば電王』の三本の映画を鑑賞済み(ついでに『魔界城の王』と『THE NEXT』も)。結果、『仮面ライダー電王』という作品の世界観やギミック満載のノリは、そんなに好きになれないな、という感想を持つに至ったというのが正直なところです。

そんなこともあり、「単に『ディケイド』の連中が見れればいいや」的な気持ちで観に行ったのですが、この映画、結論から言えばとても面白かったです。

僕の好きな映画のジャンルに「ジュブナイル映画」というものがあります。

ジュブナイル小説といえば児童文学のことですが、この場合のジュブナイル映画っていうのは、

 心や家庭などに問題を抱えた少年(ないしは少女)が、

 特殊な何かと出会い、そして別れることによって、

 最終的には成長して帰還する、という物語

……だと僕はとらえています。

物語の肝の部分は「特殊な何かと出会ってから別れるまでに起きた一連の事件」なのですが、テーマとしては「成長」を描くというもの。

大林宣彦監督の『水の旅人』、角川春樹の『REX 恐竜物語』なんて代表的ですね。

『ALLWAYS 三丁目の夕日』の山崎監督もタイトルそのまんま、『Juvenile』というタイトルの映画を撮ってますね。これも大好きです(ちなみに、映画『Juvenile』の展開は、塚本裕美子・とまとあき夫妻によるライトノベル『悪の江ノ島大決戦』を彷彿させます。こちらもオススメだけど、手に入るか……?)。

まあ、簡単に言えば、『ドラえもん』の「未来の国からはるばると」から「さようならドラえもん」までを圧縮した物語ってことになりますかね。

「帰ってきたドラえもん」は名作ですが、僕の定義するジュブナイル映画には必要の無い要素だったりします。

あ、『超・電王&ディケイド』の田﨑竜太監督は、以前にも『小さき勇者たち〜ガメラ〜』っていうジュブナイル映画を撮ってますね。あれも嫌いじゃないです。

……と前置きが長くなってしまいましたが、今回の超電王、そのジュブナイル映画として観て、個人的に◎の出来でした。

あらすじを簡単に説明するなら、

 1980年代、母の死と父の仕事の関係で

 東京から田舎の学校へ転校することになった少年ユウが、

 電王とデンライナーの面々と出会い、そして少しだけ成長して、

 彼らと別れる話。

です。

電王の話として観るなら、「そういうあらすじ」としてまとめられるものではないのかも知れないですし、シリーズ物としてのギミックも用意してあるのですが、そこじゃなくて、この「少年のひと夏の成長」的な部分に惹かれました(夏じゃないけど)。

あと、こういった少年向け作品にありがちの「ヒロイックなんちゃって時代劇」。

これも大好きなジャンルなのですが、今回のはユウ少年と、南明奈演じるトキとの心の交流も相まって、なかなか良かったです。

個人的には『七人の戦鬼』や『俺、誕生』よりもずっと良かったなぁ。ロケーションとストーリィがうまく絡んでいたように思います。

ユウ少年の目を通して見るデンライナーに携わる面々のなんと魅力的なことか。

二代目良太郎を襲名した(のか?)溝口琢矢君の凛々しいこと。NEW電王こと幸太郎もすっかりレギュラ面です。

本来の目的であったディケイド組も、単なるカメオ出演だった『電王&キバ』よりもしっかりゲストとして話に組み込めていたと思います。

満足してバルト9を去ることができました。

劇場版『超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーション 鬼ヶ島の戦艦』(東映

監督:田﨑竜太

脚本:小林靖子

音楽:佐橋俊彦

出演:桜田通/井上正大/戸谷公人/南明奈沢木ルカ秋山莉奈森カンナ溝口琢矢松元環季松田賢二滝川英治小越勇輝石井トミコ駿河太郎大和田悠太/笠兼三/矢代奨馬/山田清貴/藤本旺輝/前沢保美/富永研司/岡元次郎/永瀬尚希/金田進一/おぐらとしひろ/中村優一/柳沢慎吾篠井英介石丸謙二郎石橋蓮司

声の出演:関俊彦遊佐浩二/てらそままさき/鈴村健一大塚芳忠三木眞一郎小野大輔檜山修之鳥海浩輔/マーク・大喜多

スーツアクト:高岩成二伊藤慎/永徳/岡元次郎/おぐらとしひろ/押川善文/永瀬尚希/金田進一/伊藤教人

プロデュース:白倉伸一郎/武部直美/和佐野健一/梶淳/加藤和

劇場版『超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーション 鬼ヶ島の戦艦』公式サイト

P.S.

内容とは全然関係ないのですが、冒頭で釣り人がミミヒコたちに襲われるシーン、襲われる釣り人の一人が、演劇サムライナンバーナインなどで檜枝やちえ象さんたちとよく共演する笠兼三氏でした。いきなり知ってる方の顔がスクリーンに出たので、思わず吹いてしまいました。すみません……。