episode 1「ユニコーンの日」

機動戦士ガンダムUC』がアニメ化される、という話を最初に聞いたのはいつだったか。

TVシリーズなのかなぁ〜なんて考えてたらOVAだそうで、発売されたらそのうち(新作シールが消えた頃)レンタルで観よう、などとぼんやり考えていました。

先日、何気なく『ゴッドイーター』の追加イベントをダウンロードしようとPSPPlayStation Storeに接続したら、DVDやブルーレイの発売に先駆けて先行映像配信があるっていうじゃないですか。

さらに、一部映画館でも先行上映されるってことが判明。

よく行くTOHOシネマズ六本木ヒルズでもやってて、レイト上映もあるとのこと。

調べてみたら夜は、22時20分の上映。

21時過ぎにふらふら家を出て、上映を観ても、そのまま電車がある時間に帰れるじゃないですか。

こりゃ、PSPで観るより劇場だろう。気分転換にはもってこいだということで、先日、六本木ヒルズまで脚を伸ばしてきました。

細君と二人で観にいく予定が、たまたま『ゴッドイーター』をやりに来た映像監督と、たまたま今度行くスキー旅行の代金を徴収しにきた劇作家を巻き込んで四人で鑑賞。

原作小説は未読だったのですが、とても──、

とても面白い作品でした。

要約すると宇宙世紀0096年、アナハイムエレクトロニクス工業専門学校に通う学生バナージ・リンクスがいかにしてヒロインと出会い、そしてユニコーンガンダムに乗ることになったのか、という顛末。

筋立てはシンプル。

バックボーンも、この作品で初めてガンダムに触れる人にはいろいろと聞きなれない固有名詞が多く感じるかもしれませんが、結構シンプルです。

22年前に公開された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が宇宙世紀0093年の話ですから、その3年後の物語ということになります。

ΖΖで影武者と判明し、実はクワトロに連れ去られていたはずなのに「逆シャア」にも登場せず、長いこと放置されていた(それ故に、『ムーンクライシス』や『逆襲のギガンテス』など、非公式の外伝で美味しい役どころにされてきた)例のジオンの姫君が成長した姿で登場する、というだけで、なんかもう生きてて良かったという気分になってくるから不思議。

少年が例の白いモビルスーツに搭乗するまでの顛末って、過去にもざんざんやり尽くされてきている感がありますが、それを分かった上で毎回、「どう見せるか」が焦点になってくるじゃないですか。

主人公と関係ないところで巻き起こるモビルスーツの小競り合い、物語の重要な鍵を握る少女との出会い、そして主人公自身の背景、そして託される白いモビルスーツ……。

わかっているはずなのに、ドキドキしながら観てました。

もう幼少の頃より身体に刷り込まれているのかも知れません。

過去に遡っての「あの頃、他の場所では」というエピソードではなく、30年後や60年後の未来でもない、久々の宇宙世紀の「続き」に、高校の頃『逆襲のシャア』を観にいった日のことを思い出し、安彦良和氏の絵柄を重視したキャラクタデザインの絵が動き回ることに中学の頃『アリオン』を観にいった日のことを思い出し──

それでも9.11以降の現代だからこその、戦争に対する感情表現を体感し、なんかOVAを劇場で観た、というよりは普通に一本の映画を観に来た、という気分で劇場を出ました。

満足です。

「そのうち観ようとは思ってたけど、劇場に行くつもりはなかったんだよね」的な感じで乗り気じゃなかった同行者たちも、劇場を出る頃には興奮してました。

昨年、お台場でバーベキューした際に実物大のガンダムを見た時同様、「好き」とか「嫌い」とか以前に幼少の頃より刷り込まれた何かが、彼らにもあったみたいです。

軽い気分転換のつもりが大満足で帰宅した次第。

続きも是非、劇場公開して欲しいなぁなんて思ってるんですが、どうなんでしょうね?

ともあれ、劇場に行こうかどうか、DVDやブルーレイを予約しようか、と迷ってる人がいたなら安心して観て下さい、と言えます。

PSPで観てもいいけど、劇場もいいよ。

機動戦士ガンダムUC episode 1 ユニコーンの日』

原作:矢立肇富野由悠季

ストーリィ:福井晴敏

オリジナルキャラクタデザイン:安彦良和

アニメーションキャラクタデザイン:高橋久美子

モビルスーツ原案:大河原邦男

メカニカルデザインカトキハジメ石垣純哉/佐山義則/玄馬宣彦

脚本:むとうやすゆき

出演:内山昂輝藤村歩甲斐田裕子手塚秀彰小山力也/チョー/青山穣戸松遥下野紘/楠見尚巳/宮下栄治広橋涼日野聡/朝倉栄介/西凛太朗/坂詰貴之/乃村健次/高塚正也福山廉士清水明彦/レニー・ハート有本欽隆菅生隆之永井一郎

監督:古橋一浩

企画・製作:サンライズ

機動戦士ガンダムUC公式サイト