超・電王トリロジー黄 お宝DEエンド・パイレーツ

この夏は、『踊る3』や『告白』、『アリエッティ』も観たのに、なぜか書くのはこれの感想w

却説──

先日、といってもちょっと前になるが『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダーTHE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』を観てきた。

『超・電王トリロジー』は、スピンオフトリロジィということで始まった映画だが、ゼノロスや超電王には特に興味がなかったので、ディエンドの登場するEPISODE YELLOWだけ観た、というカタチだ。

ディエンドが登場する以上、『仮面ライダーディケイド』のスピンオフ作品ともいえるわけだしね。

一応、ディケイドには最後まで付き合おうという誓い(?)が僕の中で生きている、ということだ。

一年前の夏のエントリィで「実は劇場版『オールライダー対大ショッカー』もとっくに観ているのですが、今、仕事がすごく忙しいので、感想は落ち着いたらゆっくり書きます」と記したにもかかわらず、その後、映画の感想も、『ディケイド』の最終回を受けての感想も、そして冬の『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』の感想も書かないまま、時が過ぎてしまった。

自分の中での「結局、ディケイドって何だったんだ」っていう答えを示さずにここまで来てしまったのが、妙に心の中にしこりとして残っている状態だったので、ここらで吐き出しておいた方がいいのかもしれない。

TVシリーズ本編、『超・電王 鬼ヶ島の戦艦』、『オールライダー対大ショッカー』、『MOVIE大戦2010』、そして今回の『お宝DEエンド・パイレーツ』と観て来たわけだけど、残念だったのは、結局「ディケイドはお祭りだから」と開き直っちゃったところ。

無理やりでも何でもいいから、剛腕でつじつま合わせてねじ伏せる、くらいのことはやって欲しかったなぁ。それをやったとしても、「お祭りはお祭り」だからね。

よくわからないながらも盛り上がってた『オールライダー対大ショッカー』がWの登場で台無しになってしまった(主にシャドームーンがね)ことや、紆余曲折を経て海東が支離滅裂なキャラクタになってしまったことや、テレビシリーズが尻切れトンボで終わってしまい嘘予告で場をつないだことはまあいい。

でも、あれだけいろんな意味でブレまくってたテレビシリーズの中で、唯一ブレてなかった「士君は破壊者なんかじゃない!」っていう夏海の根拠のない主張(それこそが作品の軸であった)が、『MOVIE大戦2010』の完結編が始まった瞬間、「いろいろあったけど、やっぱり破壊者でした」ではなんていうかズッコケる以外の選択肢がない。

あそこまで「破壊者じゃない」を貫いていたなら、彼が破壊者として自覚にいたるプロセスだけは放棄しちゃいけない部分だったと思うんだよね。

「それ、苦しいだろ。でも、かろうじて筋は通ってる。っていうか無理やりすぎw」みたいなのを期待してたのだが……。

テレビシリーズで、紅渡に続いて、剣崎一真っていうメタ的な立ち位置の主人公を出したのに、それを活かせなかった点もなんだかなぁって。

他の平成ライダーたちも渡や一真と同じオリジナルのメタライダーなのだとしたら、なぜクウガだけは小野寺ユウスケなのかとか、妄想しがいのあるネタだっただけにいろいろ惜しい。

まあ、この辺は『MOVIE大戦2010』のディレクターズカット版が出るまでは、この辺りの評価は保留にしておこう。

で、肝心の『お宝DEエンド・パイレーツ』だが──

小太郎やコハナ役の子役が成長してきてしまっているのが残念だったものの、結論から言えば面白かった。

ディエンドのスピンオフってことで、ホントに海東以外のディケイド陣は登場しなかったわけだが、話自体はシンプルな構成だし、コメディリリーフ勢ぞろいの電王世界の中で、海東大樹っていうキャラクタが際立っていたので退屈しなかった。

『ディケイド』本編のケータッチや、『パラダイス・ロスト』でのファイズブラスター同様、何の脈絡もなく突然出てきた感のあるディエンド用のケータッチも、「G4、リュウガ、オーガ、グレイブ、歌舞鬼、コーカサス、アーク、スカル」ってな感じで歴代の劇場版オリジナルライダーたちの名前が連呼されるだけで興奮してしまって、突っ込むどころじゃなくなってしまったのが正直なところ。

ディエンドコンプリートフォームのためだけにもこの映画は価値がある、と言ってしまえる自分が怖いわけで。

ただ、「スカル」だけは疑問で、そのポストは「ガオウ」であるべきだ、とは思ったけどね。

響鬼ショック以後、平成仮面ライダーをあまり観なくなってしまった僕が、一念発起して毎週欠かさず観ることにしていたお祭り番組『仮面ライダーディケイド』関連作品。

文句を言いつつも、今後も新展開があるならとことん付き合う所存だ。

仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダーTHE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』(東映

原作:石ノ森章太郎

脚本:米村正二

監修:小林靖子

出演:戸谷公人/古川雄大秋山莉奈溝口琢矢松元環季松本若菜/永田彬/上野亮/栗田麗/坂口湧久/青柳尊哉

声の出演:関俊彦遊佐浩二/てらそままさき/鈴村健一/笹沼堯羅/マーク・大喜多

スーツアクト:高岩成二/永徳/岡元次郎/おぐらとしひろ/伊藤教人

監督:柴﨑貴之

仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダーTHE MOVIE 超・電王トリロジー公式サイト