解説

小説のあとがきのあとにある解説文に挑戦。あれって蛇足だよね。だから、今日の日記は蛇足です。脚本家がいやがったら消そう。(笑)

【解説】
今回の公演は、冬至と春日との再会から始まったわけです。

この2人と僕らとの付き合いは、結構、長いのです。
四方田君がサイト上で日記型連載ネット小説「あなたのことはすべて(仮)」を始めたのが1997年の12月だから、もう4年半ほどのつきあいになりますか。今回、この双子を演じてくれた檜枝さんも藤田君も、その頃はリアル十代だったわけですね。
当事、高校生だった彼らも今では大学生になっていて、性格的にもかなり違いがあります。
彼らは四方田君の中でリアルタイムに成長しているようで、快活な少女だった春日にその面影はなく、真面目な少年だった冬至はいつの間にかヒネた可愛げのないヤツに成長していました。
変わらないのは睦月だけみたいです。

疑問に思った方も多いとは思うのですが、今回の公演で起きた殺人事件と、彼ら双子のバックボーンとはまったく関係のないものです。
双子の人格転移は、彼らの中の日常の一部として演出されていますし、双子と睦月との関係に関しても作中では一切触れていません。そりゃもうスッキリするほど解説していません。
仮チラシや劇団サイトなどにプレストーリーとして掲載したのみです。
「この作品における睦月の存在意義って何?」と思ってしまった方、もっともな疑問です。が、流してください。
あなたの友人が事件に巻き込まれたことと、その事件を担当することになった警察官の嫌いな食べ物のことが、あまり関係ないのと同じです。
この作品は北本姉弟が活躍する「あなたのことはすべて」という大きなシリーズの中の一作だと認知していただけると幸いです。

双子のバックボーンに関しては、またいつかどこかで語られることもあるでしょう。
四方田君のことだから、ひょっとしたら永遠に語らないかもしれません。
僕は四方田君ではないので、多くを知らないし、語る必要も権利もないのですが(笑)、ひとつだけ。

北本冬至は犯罪者である。

まあ、あなたがそんなことを知らなくても、冬至たちとは付き合っていけるはずです。
「あなたのことはすべて」の続編にご期待ください。