有明月

最後の夏が終わった。
長かったような気はする。
でも、ほんとうは僕が感じているよりも、ずっとずっと短かったんじゃないかとも思う。
結果はどうあれ、僕はこの夏を全力疾走で駆け抜けた。
充実した夏だった。
けれども、それは県大会の準決勝ですべて終わった。
心地よい敗北と虚脱感。
悔しさもないわけじゃなかったけど、それよりは、よくぞここまでやったという自分自身への賞賛の方が強かった気がする。
でも、すべて終わった今……。
今の僕は抜け殻みたいなものだ。
ただ無意味に生きている。ただそれだけの、かつて僕だったカタマリにすぎない。
大した価値もないカタマリ。
生きているけれど、死んでいるのと同じ。
(『アズラエル』より)

……というわけで、新たな生活が始まった方もいることでしょう。
新たな出会いと別れに。

フーリガン〜君のなかの勇気〜』を宅急便で実家に送る。