天羽悠加のかしこみ日記

悠加「みんな、元気にしてた?」
──「……やけに久しぶりじゃないか」
悠加「新作のキャラクタを喰っちゃうといけないから、出るの控えてたんだよ」
──「は?」
悠加「石橋つばめちゃんとかに人気が出ないと困るでしょ」
──「おかげさまで、つばめは順調に人気みたいだね」
悠加「私に似て可愛いもんね!」
──「そうだな」
悠加「そ、そこはツッコムのが普通でしょ」
──「いや、俺は可愛いと思ってるよ。お前もつばめも。だから、安心して嫁げ。貰ってくれる殿方に感謝してな」
悠加「お、押忍……」
──「で、今日の主旨は何?」
悠加「ああ、そだ。明日はいよいよバレンタインデーです♪」
──「興味あるの?」
悠加「どして?」
──「巫女姉妹は、そんな西洋かぶれのイベントなんて興味ないかと……」
悠加「私、帰国子女なんだけど……」
──「じゃあ、本来は海外じゃ女が男にプレゼントするなんて習慣はないし、とか変な薀蓄で文句言う方?」
悠加「ちがうよ。チョコレートだよ。よく考えて」
──「製菓会社の陰謀には乗らないとか言うタイプか。でもな、文化っていうのは、どんな時代も商業と密接に関わってるんだ。土用丑の日に鰻、喰いたいだろ?」
悠加「だから、否定してないでしょ。食べ物だよ。料理やお菓子作りは私の得意分野でしょ。マイカテゴリ!」
──「ああ、そーいえば」
悠加「自分にアドバンテージがあるイベントを否定するはずがないっての。明日に備えて今日一日、だいぶ頑張ったんだから」
──「それはそれは、おつかれさま」
悠加「うわ、淡白だなぁ。バレンタインに興味ない?」
──「あるけど、でも、ありゃ女の子のためのイベントって印象が強いからなぁ」
悠加「男には関係ないって顔しないでよ。女のためのイベントってことは、男のためのイベントでもあるんだってば」
──「お、なんか説得力あるな……。まあ、俺は全国のラブラブを推進しているから、明日は恋する女の子には是非、頑張っていただきたいところだ」
悠加「ラブラブ推進委員会?」
──「そ。ラブラブ推進委員会。前は鷹派だったから恋する娘の妨げになる義理チョコを否定してたけど、まあ、最近はそーでもなくなった」
悠加「どういうこと?」
──「そーだな。義理チョコに乗せる恋になりきらない恋、みたいな、そういうシチュエーションで、お話を書いてみたい」
悠加「また、仕事の話……」