ゼブラーマン

白黒つけるぜ!! うーん、これは評価しづらいなぁ。 日本映画とヒーロー映画が全く融合することなく、でもひとつの映画として出来上がっちゃった。 そんな感じの映画です。 かいつまんで言えば、冴えないお父さんがあこがれ続けた本物のヒーローになる、というストーリィなのです……が、そんな大まかな流れはこの映画のウリとは全然関係ありません。 全編につきまとう説明不足感は、あらゆるところに散りばめられた小ネタや、カメオ出演している役者たちを前にすれば、どうでもよくなってしまいます。 ・2010年(作中の現代)における特撮番組『放射能戦隊アレキサンダー』 ・1978年の架空の番組『ゼブラーマン』と渡洋史水木一郎の歌う「ゼブラーマンの歌」 ・茄子を焼いていて、子供たちにボコられる古田新太 ・ムチムチな鈴木京香のゼブラナース(ヤバいだろ……) 子供の頃に放映されていたあこがれのヒーロー番組。しかし、その作品は視聴率低迷のため7話で打ち切りされ、再放送もされていない。そのヒーローにあこがれ続けてきた小学校教師(哀川翔)が、そのヒーローに詳しい児童を「浅野さん」とさん付けするのは良かったですね。 特に、自分で作ったコスプレに見惚れ「やばい、浅野さんに見せたい」と呟く哀川翔は必見です。 そんな感じで小ネタ炸裂の『ゼブラーマン』はそれだけでも観る価値はあるのですが、一本の映画としてどうなのよ? と問われればちょいと疑問かもしれません。 途中途中で出てくる地球外生命に寄生された者たち(雑魚)との戦いは燃えますが、ラストの方はギャグもないし、シリアス展開だからといって燃えるわけではないので、やはりこの映画のキモは冒頭から中盤まで、と言ってしまって良いでしょう。 そんなわけで、全体的に釈然としない映画なのですが、そのモヤモヤも息子の「お父さん、頑張って」という一言でなんとなく帳消しにされちゃったような気になります。 狐につままれた感は残りますが……。 実はこの映画、ヨモが脚本提供しているSparks桑原和生氏が、浅野さんの担任の教師役で出演しているんですよね。だから、劇場公開中に観にいこうかと思っていたのですが、タイミングを逸してしまったんです。 劇場で観たかったなぁ。 主題歌はザ・ハイロウズの「日曜日よりの使者」ですが、この歌を聞くと、どうしてもサードステージの再演版『トランス』(1996・古田新太手塚とおるつみきみほ)を思い出してしまいます。 そのイメージが強すぎて……しっくり来ません。 マイノリティな意見ですんません。 『ゼブラーマン』(2004) 監督:三池崇史 脚本:宮藤官九郎 出演:哀川翔鈴木京香市川由衣近藤公園/安河内ナオキ/三島圭将/渡辺真起子渡洋史柄本明岩松了/大杉蓮/渡部篤郎 主題歌:ザ・ハイロウズ『日曜日よりの使者』
ゼブラーマン公式サイト