高畑京一郎『Hyper Hybrid Organization 00-02 襲撃者』
『タイム・リープ あしたはきのう』、『ダブル・キャスト』などの高畑京一郎が送る連続小説『Hyper Hybrid Organization』。
割とキャッチィなタイトルが多かった氏の作品の中で、『Hyper Hybrid Organization』は憶えにくい極致のタイトルであると思う。おそらくは「H2O」と略せばいいのだろうけど……、H2Oと書いて、この作品をパッと思い浮かべることは僕にはできない。
今まで一冊完結のウェルメイドな小説を書いてきた氏にとって、『Hyper Hybrid Organization』は異色な位置付けであると思う。
なかなか進まない、なかなか終わらない、そして男くさい。
世を騒がす武装犯罪集団「ユニコーン」(要するに悪の秘密結社)に対し、たった独りで戦いを挑むハイブリッド(改造人間)「ガーディアン」。
そのガーディアンとユニコーンのハイブリッドとの戦いに巻き込まれて、恋人を亡くしてしまった青年が、ガーディアンへの復讐を誓い、ユニコーンに入る……というストーリィ。
簡単にいえば「仮面ライダーに復讐を誓った青年の物語」、それが『Hyper Hybrid Organization』の本編の物語で、現在、「01-01 運命の日」、「01-02 突破」、「01-03 通過儀礼」の3巻まで出版されている。
「00」とナンバがふられているのは外伝で、本編のプレストーリィとなるべき話。
主人公は、将来ユニコーン最強のハイブリッドになるはずの男・高杉一也で、彼の視点から見たユニコーンが結成されるまでの物語である……と思う。
「00-01」はほとんど任侠モノでしかなかったのだが、「00-02」に入って、ようやく『Hyper Hybrid Organization』らしくなってきた。
ただ、刊行ペースが遅いので、ここに来て外伝が連続して刊行されてしまうと、早く先を進めて欲しいと思うようになる。
外伝も面白いんだけどね。
もう、本編のこと忘れ始めてきたよ。脇役の名前から段々とね……。
ちなみに「01-01」が出た時はあまり気にならなかったけど、登場人物が出揃うに従って、物凄く気になるようになってきた。
藤岡武士、佐々木隼人、宮内志郎、速水啓介、岡崎大介、荒木茂樹……。
ベタベタである。ベタベタすぎてアレだ……。
そのうち小田切雄介とか、賀集翔一とか半田巧とかね……出ないか。
この作品に望むことは、早く本編を進めて欲しい、ということかな。
まあ5年、10年続編が出ない作品はザラにあるわけだけど……そうあってほしくないなぁ。
電撃文庫『Hyper Hybrid Organization 00-02 襲撃者』(メディアワークス)
ISBN4-8402-2836-1