そして一年が経過した。
莫迦みたいにただ生きたまま一年が経過した。
ほっといても時は過ぎる。

時間がクスリになるとはよく言ったものだ。
何が解決したわけでもないが、ただその状態に慣れるということだけはできた。
──つまり時とは常習性のある薬品のようなものなのだろう。
それを以って時が解決する、と言い切るなら、それも人生。

心の中に生まれたネガティブな領域がスイープされることを願っていた時期もあったけど、結局は飼いならすしかないのだ。付き合っていくしかないのだ。
この先もそうやって折り合いをつけながら、生きていかなければならないのだから。

つぶれるな。くるうな。気をつけろ。