壬生義士伝

今日までに返却しなければいけなかったので『壬生義士伝』を観た。
原作は未読。特に予備知識はなく、タイトルから単に「新撰組モノだろうなぁ」というそれだけの認識だったのだが、そういう意味では予想とは全然違った作品だった。
明治後期、年老いた斎藤一佐藤浩市)がとある開業医の元を訪れるところから始まり、斎藤と医者、二人の回想から新撰組隊士吉村貫一郎中井貴一)の人生が描かれていく。
これに近い映画をあげろといったら、ひょっとしたら『嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』かもしれない。
中井貴一の生き様自体にはそれほど心動くものは無いのだが、彼の無垢な行動理念に影響されていく周囲の人物が良かった。佐藤浩市だけじゃなくて、夏川結衣とか、三宅祐司と伊藤淳史の親子とかね。心を打たれるものあり。
中井のラストの独白がちょっと長すぎるのが気になった。聞き取りづらかったし(あとで、日本語字幕をONにして置けばよかったと後悔)。
最後の最後で成長したみつを目にした老斎藤の顔が良かったなぁ。見てたら泣けた。
佐藤浩市、やるな。

ちなみにこの映画だと坂本暗殺が伊東甲子太郎らによるものだと暗示している。確かに斎藤視点ならその方がドラマティックかも……。

感想、ここまで。

そうそう、日本人であり役者であるなら、規模に関わらず、生きているうちに一度は幕末を舞台にした映画なりドラマなり舞台なりを経験することもあるかと思います。
そういう意味では、役者には二種類に分かれますね。実在の新撰組隊士(あるいは勤王志士でもいいですけど)を演じたことがある役者と、ない役者。
僕は役者じゃないからわからないですけど、なんか思い入れとか出そうですね。
中には一生のうちに何度も経験し、いろいろな役につく人もいそうですね。
「僕は○○しかやりたくない」とか「○○が一番しっくりくる」とか、そういうのあるんですかねぇ?
ちなみにこの映画版『壬生義士伝』では、斎藤一佐藤浩市沖田総司堺雅人です。
NHK大河『新選組』を観ている人は、今観たら混乱しちゃうかも知れませんね。

なんか『ラストサムライ』⇒『壬生義士伝』というコンボで来てしまったので、次は『たそがれ清兵衛』を観なければならなくなってしまったのでしょうか?
そういう縛り?
まあ、いいか。流されてみよう。