東郷ひろみの勇者革命万歳

──「ゲホッゲホッゲホ……」
ひろみ「あれ? 風邪、治ったんじゃなかったんですか?」
──「そう思ってたんだけどね、今朝、原稿仕上げて寝ようと思ったら、咳が止まらなくなっちゃって……」
ひろみ「大変ですねぇ」
──「ようやく眠れたと思ったら、地震で起こされるし……」
ひろみ「大きかったですね、地震
──「らしいね。それはともかく、観てきたよ。レイトショウで」
ひろみ「何をですか?」
──「もちろん、サム・ライミ監督の『スパイダーマン2』!」
ひろみ「す、スパイダーマンつぅ〜!? ……と、いうことはマーベラー2がレオパルドン2に……」
──「……ならない!」
ひろみ「はぅ……やっぱりぃ。で、どうでした?」
──「良かったよ。俺、泣きながら観てたもん」
ひろみ「ということは、感動的だったんですね?」
──「うんにゃ、あんまり感動とかはなかったなぁ。それよりもね、なんか普通に戦ってるシーンとかで泣いてた」
ひろみ「な、なにゆえ?」
──「なんつーか、辛くてさ……。頑張れピーター、みたいな……」
ひろみ「はぁ……」
──「スパイディは、社会悪だけじゃなくて、単位や家賃や恋愛とも戦ってるのだ。いろいろ報われないし……」
ひろみ「そんなところにシンパシィを感じられても……」
──「基本的に人情モノなのよ。トビー・マグワイアの人畜無害そうな顔がまたマッチしてていいんだな、これが」
ひろみ「もっとこうアクションとか、語ることあるでしょう?」
──「アクションは良かったよ。地域密着型ヒーローの都市型アクションって感じ」
ひろみ「やっぱ、凄かったですか?」
──「そうだね」
ひろみ「悪役はどうでした?」
──「ドック・オク? 写真で見た時は不安だったけど、動いてる彼は迫力だった。彼のとの対決は全部見どころ、みたいな感じ。燃えるよ」
ひろみ「へぇ〜」
──「燃えるって言えばさ、火事場で逃げ送れた子供っていうのは、お約束なのかなぁ?」
ひろみ「それって、まだ中にうちの子がぁ〜……ってヤツですか?」
──「そうそう」
ひろみ「不思議とよくありますね……」
──「狙ってやってるんだろうなぁ……。いいなぁ、あのネタ……」
ひろみ「そうですか?」
──「そうだよ。笑えるじゃん……」
ひろみ「だめですよ、使っちゃ。スパイダーマンだから許されるんですよ……」
──「そうなんだろうなぁ……」