Sparks『GET A LIFE!』
旗揚げ、第2回公演と四方田直樹が脚本を提供しており、4回公演からは座付作家ということになった桑原和生氏のプロデュース団体Sparks。そのSparksが2年ぶりに公演を行うこととなった。
いろいろやっていると2年なんてあっという間かもしれない。
プロデュース側と脚本家側でやりたいことの食い違いがあったのか、演出の方でいくらか脚色をしての上演となったということを予め聞いていながらの鑑賞。
楽しめた。元のストーリィもあとから聞いたが、まあ、それでも元々の骨子がしっかりしているので、難はなかったように思う。
女好きで複数の女性と付き合っているバンドマンの小関は、暴力団の事務所の向かいに間借りをしている。部屋には同じバンドのメンバも転がり込んでいるが、彼らは家主がヤクザであるということを知らない。
そんな中、バンドのメンバはヤクザが匿っている不思議な女性・多加子と出会う。多加子たちと関わっていくことで、メンバたちは僅かだが変わっていく。
ライヴで演奏する曲もできあがらないまま、初ライヴの日は刻一刻と迫ってきていた──
前半は筋とはあまり関係ないキャラクタ説明のためのコメディ。まぁ面白かったし、必要ないとは言わないが、こういうのを多用しすぎると、後半、本題に入った途端、客がついてこなくなるので注意が必要かな、とも思った。
ストーリィは多少、バラけてしまったかな? 個人的にはもう少し小関に集中させてほしかった気がする。逆に一向に作詞が進まないボーカルは、徹底的にダメに書いても良かったかも知れない。
結局はいろいろあるが、堅気とヤクザでは交わることはないし、どうしようもできないことはどうしようもない、というのが落着点だと思うのだが、芝居を提供する側の方がそれに納得できていないためなのか、迷いのようなものが感じられた。
出演者の方々は達者な方ばかりで、なんでもないシーンの空気の出し方が上手かったと思う。
顔である桑原氏本人も今回は出ずっぱりだったし(これは重要)、普段着の横沢さんの何気ない色気が素敵だった。沖本さんも面白かった。
ダンスやMC、詩の朗読など、芝居の内容とは直接関係ない枝葉のようなものも多かったが、これを蛇足と言い切ることはできない。
ただ、この部分をどうしていきたいのかが、今後の団体の方向性を決めることになるのだろうから、じっくり吟味して欲しいなぁ、と思った。
単純に可愛い娘がダンスしてれば、それはそれで嬉しいんだけどね。
Sparks 5th Stage
『GET A LIFE!』
演出・脚色:クワハラカズキ
脚本:四方田直樹
出演:桑原和生/横沢美智香/沖本達也(ワンダラーズ)/鷲尾昇(*pnish*)/田中謙次(欽ちゃん劇団)/中井昌文(欽ちゃん劇団)/今谷フトシ(アガトリイ)/大澤桂子(大人の麦茶)/そぎたにそぎ助/西本昌弘/伊藤聖哉/YASU/IKU/ユリオカ超特Q
オープニングACT:成瀬功(詩人)
エンディングACT:YUKi-TO(写真家)/janis-K(シンガー)/DENBEI(ギタリスト)
劇場:新宿シアターモリエール
2005/3/10⇒3/13
⇒Sparks公式サイト
《参照》
GET A LIFE!(等身大な出来事)
『GET A LIFE!』(女心と秋の空)
「GET A LIFE!」(りえぷー日記☆)
サンキューノーリアクション!(美酒乱)
GET A LIFE!(多趣味浪費家OLの消費者生活)
GET A LIFE最終日(^-^)/(大正 駄 日記)
『GET A LIFE!』(ゆうみの読まナ・イ・ト!!!)
GET A LIFE ! 20050310(本日のお楽しみ)
GET A LIFE!(Haruhi's room)
Sparks公演 Get A Lifeを見てきた☆(ボクはココにいる)
疲れたー!(panic blog)
追伸:そういえば作中に出てきた広域指定暴力団「緑縁会」は、村上航主演「東京おしゃれ探偵シマヅヤマゴウGO!」にも登場しますね。こういう微かなリンクは良いですな。