はんぺんの話

先日、「ご当地踏み絵:静岡人チェック」をやってみて、ふと思ったのが「そういえば、最近、はんぺん食べてないなぁ……」ってこと。 はんぺんというのは静岡では普通に食べることができる、鰯(あるいは鯖)のすり身を半円状(アルファベットでいうなら「D」が近い)に固めたものをいいます。 関東で普通、「はんぺん」と言うと山芋や卵白を混ぜた白くてブニブニした四角いヤツをさすので、便宜上、「黒はんぺん」と呼ばれたりもします。 黒といいつつ、色はグレーなので、黒い色を想像しない方がいいでしょう。あくまで、あの白いヤツと区別するための言い方、と考えられます。 この「黒はんぺん」は日持ちするものではないので、全国流通しないらしいですね。 まぐろにしても、この黒はんぺんにしても、港の民は一番旨いところは他所にまわさないんですなぁ……。 個人的にはフライにしてソースをつけて食べるのが好きです。食いたい。 どんなものかというと……説明するのは難しいですが、つくねのように無骨ではありませんし、かまぼこのように機械的ではありません。 その中間くらいでしょうか? 違うものが同じ名称で呼ばれているというのも、ややこしいので、ちょっと「はんぺん」の語源を調べてみました。 諸説あったのですが、結果は意外でした。 ざっと見たところ…… 駿河の国の料理人の半平が、魚のすり身でやわらかな料理を作って出したのが始まり。半平が創製したから『ハンペイ』の名がつき、それが訛って「はんぺん」になった。 ・すり身をへらの上でちょうど半分の片に半月型に形を整えることから「はんぺん(半片)」になった。 という二説がポピュラです。 駿河の国の半平か、半円形で半片か……っておい、どちらも「黒はんぺん」のことじゃんか! シット、こっちがオリジナルかよ……。 これでは、逆にあの連邦の白いヤツ(或いはゲムカモフ?)が何故、「はんぺん」と呼ばれるようになったのか、に興味がシフトしてしまいますね。 オーハーが、オッハーに取って代わられたような感じ? でも、今、食いたいのは黒はんぺん。