Hu-BASICとBeep
某作品のシナリオワークの最終追込みがあったため、まるで更新できない状態だったのだが、ようやく一段落ついた(とは言ってもまだまだ仕事はあるのだが)ので、更新してみた次第。
ニュースから一ヶ月ほどが経ってしまったが、先月、長くゲームやパソコンに関わっている者なら無視できないニュースがふたつあった。
ひとつはハドソンが、3月1日付でコナミデジタルエンタテインメントに吸収合併され、消滅するということ。
⇒http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1201/17/news111.html
もうひとつは、ソフトバンククリエイティブのゲーム総合誌「ゲーマガ」が3月30日号をもって休刊するということ。
⇒http://gadget.itmedia.co.jp/gg/articles/1201/18/news068.html
ハドソンといえば、多くの人はファミコン以降の多くのゲームを思い浮かべることだろう。コナミの中にゲームブランドとしてのハドソンは残るとは思うが、これはこれで切ない。
が、僕にとってのハドソンは違う。
僕は、小学生から中学生にかけて8-bitパソコンで育ってきた世代だ。
SHARPのMZユーザで、MZ-700を使っていたので、僕が最初に覚えたプログラム言語は、S-BASICとHu-BASICだった。
このHu-BASICを作ったのがハドソンだ。
SP-5030の流れをくむS-BASICも嫌いではなかったが、僕は、N-BASICにも文法が似たHu-BASICの方を主に使っていた。
小学生時代の僕は主にHu-BASICでオリジナルのプログラムを組みながら、「将来、ゲームとか作りたいなぁ」などと思っていたわけだ。
消滅を待つまでもなく、そのBASICを開発していた頃のハドソンと今のハドソンでは中身は全然別物なのかもしれない。
でも、Hu-BASICでプログラムを覚えて育った身としては、なんだろう……妙な淋しさをおぼえてしまうわけだ。
似たような思いに駆られた人は多かったようなのでTogetterでまとめてみた。
⇒http://togetter.com/li/243347
もうひとつのニュースはこれに少しだけ関連する。
ソフトバンクのゲーム誌「ゲーマガ」が休刊、と言われても単に数あるゲーム誌のひとつが休刊するだけだと思ってしまう人が多いのかもしれない。
が、ゲーマガは由緒正しい伝統的なゲーム雑誌なのだ。
ゲーマガ自体は2006年からなのだが、雑誌というのは時折、誌名変更する。
例えば、かなりお世話になっている雑誌のひとつである「電撃G'sマガジン」さんは以前は「電撃G'sエンジン」、さらに元をたどれば「電撃PCエンジン」という雑誌だった(もっと言うと、祖先は「マル勝PCエンジン」なのだけれど)。
「ゲーマガ」の誌名を遡っていくと、「ドリマガ」、「Dreamcast Magazine」、「SEGA SATURN MAGAZINE」、「BEEP! メガドライブ」となり、元々は「Beep」という誌名で創刊していた。
Beep創刊当時、僕は同じく日本ソフトバンクの「Oh! MZ」という雑誌(後の「Oh! X」)の愛読者だった。だから、時折、なんとなくBeepも買っていたのだ。
もちろん、学生時代の寝ても覚めてもバーチャロンだった頃、サタマガやドリマガに世話になったし、『カナリア〜この想いを歌に乗せて〜』のドリキャス版が出た時にはインタビュー記事も載せてもらい、ゲーマガになってからもD.C.シリーズの特集をしてもらったりPSPのステッカを付録につけてもらったりと、長いスパンでお世話になってる雑誌なのだけれど、やはりなんだかんだで続いてきたあの頃の「Beep」がなくなってしまうというのが、なんとも淋しいわけだ。
Hu-BASICを作ったハドソンに、かつてBeepだったゲーマガ。
このふたつの消失のニュースは、今も僕の心の中に住んでいたらしき「MZ少年だった頃の自分」を思い起こさせるのに十分なニュースだったと言える。
何はともあれ、淋しいなぁ……。